アメリカ海軍と日本の海上自衛隊の協同による大規模な軍事演習が実施されることが発表された。11月に実施される今回の軍事演習では、折りしも日中間で懸案となっている「尖閣諸島問題」に端を発した中国側の脅威をけん制する意図が垣間見れるタイミングとあって注目が集まる。
11月のオバマ米大統領来日の直後が実施に当たって有力視されており、米国側より米海軍第7艦隊と、海上自衛隊が中心に実施され、米軍側は横須賀を母港とする第7艦隊の中核を担う原子力空母「ジョージ・ワシントン(USS George Washington ,CVN 73)が参加を予定している。
今回の軍事演習では、空母ジョージ・ワシントンとその強力な航空打撃部隊が参加。また「世界最強」の名を冠した最新鋭ステルス戦闘機F-22ラプターや、9月よりグアムのアンダーセン基地に配備されたばかりの無人偵察機グローバルホークの参加も予定されている。
尖閣諸島を中国軍側に占拠された一報を受け、日米協同によって制空権、制海権を速やかに確保。これにより中国側の尖閣諸島に対する補給を断ち切る。その後、陸上自衛隊 空挺部隊が尖閣諸島へ降り立ち、島内で反撃を行う中国軍の殲滅を行い、奪還を行うという想定だ。
U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 3rd Class Adam K. Thomas
~尖閣諸島を巡る日中の歴史~
1885年 以降現地調査を何度も行った結果、無人島であり、中国・清朝の支配下にもないと確認
1895年1月14日 現地に標識を建てて日本の領土に編入することを閣議決定
1940年 無人島に
1951年 サンフランシスコ講和条約によって、沖縄の一部として米国の施政下に
1969年 国連による海洋調査で、イラクの埋蔵量に匹敵する大量の石油埋蔵量の可能性が報告される
1971年4月 台湾が公式に領有権を主張
1971年6月 沖縄返還協定が結ばれ、尖閣諸島も日本に返還
1971年12月 中国が外務省声明で初めて領有権の主張をしたとされる
出典:
毎日新聞「質問なるほドリ:尖閣諸島の領有権って?」 /
尖閣諸島問題 - Yahooニュース
海上保安庁の巡視船と中国漁船が衝突し日中の緊張が高まる中、米クリントン国務長官が「本件は日米安全保障条約の範疇である」と明言された。これは「日米安全保障条約」の第5条にある「米国の対日防衛義務」からの発言となっている。また、米国側としては、尖閣諸島の領有権が日本側にあるとして沖縄の本土復帰の際に返還したのは他ならぬ米国側であるとの認識も垣間見られる。
ただ、この「日米安全保障条約」には「日本の戦争」=「米国の自動参戦」ではない点について、改めて国内で議論をする必要性があるのではないだろうか。独立国家である日本が自前の防衛システムにより一人歩きできていない事は、虎視眈々と自国の国益確保を狙う中国やロシア、韓国といった周辺諸国との経済競争に大きく水を空けられかねない。
日本の発展を願って多くの先人が尊い命を落とした先の大戦から六十余年が経過。今一度、「国家」とは、「国益」とは何であるかを考え、見詰め直すよい機会にあるのかもしれない。
過去の「尖閣諸島問題」関連記事:
⇒
【東京】10.2 中国の尖閣諸島侵略糾弾!全国国民統一行動