日本版「DARPA」2014 年度予算編成で新組織を発足

ミリタリーブログサポートチーム

2013年11月19日 12:30

日本政府は 2014 年度の予算編成で、DARPA (Defense Advanced ResearchProjects Agency :米国防高等研究計画局) をモデルとした新組織の発足を決めた。先進技術の研究を進める民間企業、大学研究機関へ資金を投入し、産業、社会構造の革新、科学技術や防衛技術の発展に繋げる考え。米国の DARPA は国防総省の内部部局の一つで、そのミッションは米軍の技術優位性を維持し、国家安全保障を脅かす「技術的サプライズ」を防止すること。これは米軍が直面している現在のニーズに対応するのではなく、将来的なニーズに対応するためのハイリスク・ハイペイオフ研究を支援し実用化を加速するためのもの。

DARPA が生み出した先進技術:
・ステルス技術
・暗視技術
・防空ミサイルの精密誘導
・空中照準レーザー
・無人航空機
・ARPANet (インターネットの起源)
・GPS
・フレーズレーター (リアルタイム翻訳)
・音声アシスタントアプリ (Siri)

DARPA の設立には、1957 年 10 月 4 日のソ連邦による人類初の人工衛星打ち上げ成功で、米国をはじめとする西側諸国に走った衝撃、いわゆる「スプートニク・ショック」(Sputnik Crisis) がその背景にあり、DARPA の標語 "Creating and Preventing Strategic Surprise" にも色濃く反映されている。翻って日本版 DARPA ("JARPA" とも・・・) は内閣府の総合科学技術会議の下に設置し、米国と同様に「プログラムマネジャー」による事業推進を図る。防衛技術の開発にはこれまで一部の企業とのみおこなわれてきたが、広い視野を持つことで革新的な技術の創出に繋がるか注目が集まる。

Reuters 2013/11/13
Mainichi Newspapers 2013/11/07
About DARPA / CRDS - JST 2013/06/26
Cabinet Office, Government Of Japan Report 2013/06/27
Photo : Capture screen from DARPA.mil

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