エアバス社、陸上自衛隊の次期多用途ヘリコプターに X4 ヘリコプターを提案―Aviation Week 誌

ミリタリーブログサポートチーム

2015年01月29日 15:14

米国の航空・宇宙専門誌 Aviation Week は 2014 年 12 月 31 日、陸上自衛隊の次期多用途ヘリコプター (UH-X) 開発計画に対し、フランスのエアバス・ヘリコプターズ社が X4ヘリコプターを提案したと報じた。

Japan Ground Self-Defense Force UH-1H (left), UH-1J (right)
日本の防衛省は現在、老朽化しつつある陸上自衛隊の UH-1H、J ヘリコプターの後継機を導入する計画を進めており、一時は OH-1 を改造することで決まりつつあったものの、談合事件によって白紙化され、現在再び選定が行われている最中にある。エアバス・ヘリコプターズ社は川崎重工業と組んで提案をしており、また他に富士重工業とベル・ヘリコプター社がベル 412 をベースにした機体を、三井物産とアグスタ・ウェストランド社が AW169 をベースにした機体をそれぞれ提案をしている。

X4 はエアバス・ヘリコプターズ社が開発中のヘリコプターで、まだ初飛行すらしておらず、また民間向けの機体として開発されているため、陸上自衛隊が採用するにはリスクが高いという問題がある。しかし Aviation Week 誌によれば、まだ開発中ということは、裏を返せば生産に関してまだ何も決まっていないということであり、日本に生産ラインが置けるようになる可能性もあるとしている。
すでに両社の間では、動力系統やローターを川崎重工業が生産することについて話し合いがもたれているという。

また、日本が武器輸出三原則を見直し、防衛装備移転三原則を制定したことと合わせて、X4 の輸出が行われるようになれば、日本が世界の兵器市場に参入できる可能性もあるという。

Aviation Week 2014/12/31, 2015/01/08
Airbus Helicopters 2015/01/20
Text: 鳥嶋真也 - FM201502
関連記事