このリコイルモデルの最大の特徴はバッテリー内蔵式のマガジンでしょう。定価は14,500円(税別)です。
従来のトレポンではストック部(バッファーチューブ)にバッテリーを収めていましたが、そこにリコイルショック機能が入ったためマガジン内蔵になったと思われます。
マガジン側の電源端子はここ。
不意にショートしないよう、2極がきちんと分離しています。
ちなみに本体側はこんな感じ。
下から上がってきたマガジンがこの端子をくわえ込むように接触・通電します。
内蔵されるリポバッテリーは専用品。
電源用のミニ2P端子と充電用のバランス端子が逆方向にある特殊なカタチです。
なので、マガジン底部のフタを外せばバランス端子が見えます。
充電はバッテリーを取り出さず、ここから行います。
ということで、バランス端子だけで充電を行うタイプの充電器が必要になります。
ちなみに満充電からの発射数はメーカー公称値で3マガジン(約230発)とのことですが、800mAhのリポなので(おそらく)1000発近くは撃てるのではないでしょうか。
では、本体をバラしつつ、従来モデルとの差異を見ていきましょう。
まず最初に後方のピン(テイクダウンピン)を押し込みます。
ストッパーがあるので完全には抜けません。
これで前方のピン(ピポットピン)を支点として、回転させるようにテイクダウンができます。
このままピポットピンを抜けばアッパーとロワーが完全に分離できます。
両方とも工具を使わず指で押し込んで分解できるのが便利です。
アッパー側に入っているシリンダーユニットはそのまま後方にスポンと抜けます。
側面から見ると従来のものと変わらないように見えますが、後ろ側を見れば一目瞭然。
固定用のスチールボールがあるのが従来のシリンダーで穴が開いてる方がリコイルモデル。
ピストンの後退によってこの穴からシャフトが突き出て、バッファーチューブ内のリコイルユニットを動作させます。
なお、シリンダーユニットを抜いたアッパーは従来モデルとまったく同じものでした。
ロワーの後端、バッファーチューブの部分を比較すると・・・
リコイルモデルは中央の部分が押し込まれるようになっています。
そのバッファーチューブの内部はこんな感じ。
※画像はメーカーの製品パンフレットより。
ピストンに連動するシャフトにウエイトがあるとピストンの前進に合わせてリコイルが発生します。ただ、これは実銃とは正反対の前に向けて振動するリコイル。従来の電動ガンのリコイルショックは基本的にこのタイプでした。
そこでこのモデルのリコイルウエイトはギアを介して真逆に動きます。
※画像はメーカーの製品パンフレットより。
つまり「前進するピストンがBB弾を発射したタイミング」で「後方に向けたリコイルショック」が味わえるわけです。これは電動ガンのリコイルショックとしては画期的なのでは?
ロワー側は電源配線の関係で従来モデルとはやや異なります。
トレポンならではの極細グリップ。
内蔵されるのは490KUMIモーターです。
なお、このリコイルモデルはアンビレバーが標準装備。
セレクターレバーはクリック感もありスムーズに動きます。
最後に実射の感想を。
まずリコイルは、ちゃんとバットプレートに向かってゴンゴンくるショックが感動的。
特にフルオートで撃った場合、従来の(削岩機のように前方に揺れる不自然な)リコイルとはまったく別物です。
また、トレポンならではのシャープなトリガーフィーリングに合わせてリコイルが発生する点もポイント。ガスブロに近い印象もあり非常に心地よいです。
本体価格は240,000円(税別)となかなかのものですが、取材協力いただいたmoveさんでは新発売記念として「ロワーに好きな刻印」と「塗装仕上げ」をサービス中とのこと(34,000円相当!)。
というわけで、まだトレポン未経験の人はもちろん、すでにトレポンを持っている人にもぜひ実際に撃ってみて欲しいモデルです。
従来モデルとはぜんぜん違う撃ち味ながら、そのレスポンスや弾道はしっかりトレポンのもの。トレポンユーザーであれば、撃ったら絶対欲しくなること請け合いです。
取材協力:トレポン専門プロショップ MOVE (ムーブ)
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Photo & Text: 乾宗一郎