米海兵隊が中隊全兵士の銃にサイレンサーを装備した評価試験を行う

ミリタリーブログサポートチーム

2016年12月06日 18:39


U.S. Marine Corps/Sarah N. Petrock
先日カリフォルニアで行われた海兵隊の派遣前訓練「ITX」では、部隊全員にM27IAR小銃を配備した部隊が評価試験を行っていたことが明らかになったが、第二海兵師団第2連隊第1大隊ブラボー中隊他、いくつかの中隊では兵士の持つすべての銃に銃声を抑制するサイレンサーを装着するという実験が行われたと、ジョン・ラブ少将が講演で語った。
軍ではすでにサイレンサーが多く導入されており、さらに効果を高めるべくSURG(サイレンサー一体型アッパーレシーバー)など新技術の開発も進んでいるなど、注目される分野の一つである。

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Photo By: SSgt Ezekiel R. Kitandwe
サイレンサーを装着して射撃すると発砲音が抑えられるため着弾音のほうが目立つようになる。撃たれた側は着弾音を発射音と誤認しやすくなり、発射位置を特定するのが難しくなるという効果があるため、狙撃銃に装着するケースはよく見られる。また室内戦闘において聴力を守るために装着されることもある。


Photo By: Lance Cpl. Jorge Rosales
一般的な歩兵が野戦で用いる際のメリットは何か。ITXに参加したある兵士は、戦闘中、90メートル幅に散開している分隊の端同士が肉声で指示を伝達し合えるほどに銃声が抑えられることに驚いたという。また、銃声による刺激で効果的な射撃ができているように錯覚してしまうことがなくなり、射撃精度が向上するとのこと。今後軽機関銃や.50口径の狙撃銃のサイレンサーなどもテスト対象になる。

本格的な導入については、一個大隊分のすべての銃にサイレンサーを配備するのに約70万ドル(約8000万円)かかるなどコストが問題となる。昨今の予算削減の中では非現実的な価格であるが、師団の小火器担当士官であるクリスチャン・ウェイド1等准尉は「我々がどれほど有利になるか分かれば、ひとりでに売れていくだろう」と語っている。

Source: Corps Wants to Put Silencers on a Whole Infantry Battalion | Military.com

Text: Chaka (@dna_chaka) - FM201612
Chaka (@dna_chaka)
世界の様々な出来事を追いかけるニュースサイト「Daily News Agency」の編集長。

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