アメリカ海兵隊が索敵能力向上のため各ライフル分隊に「電子戦オペレーター」の追加を検討中

ミリタリーブログサポートチーム

2018年03月01日 17:19


Photo by Lance Cpl. Justin Toledo
アメリカ海兵隊の最小単位であるライフル分隊は4名×3チームに分隊長を加えた13人構成。長らくこの編成を元に様々な戦術が組み立てられてきたが、戦場の変化や科学技術の進歩によって、この伝統にも変化が起こるかもしれない。アメリカ海兵隊総司令官ロバート・B・ネラー大将や海兵隊戦闘研究所のクリスチャン・ウォートマン准将らが、分隊や「スカウト・スナイパー」チームの構成の変更について言及している。
先日行われた「シー・ドラゴン・2025」は、昨今の「テロとの戦い」とは違い、自軍よりも先進的な戦力を持った勢力を仮想敵とした演習であった。この演習を通じて得られた教訓から偵察・電子戦能力を強化すべきことが分かった。

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U.S. Marine Corps photo/Released
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Photo By: Pfc. rhita Daniel
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まず分隊の構成について、従来の13人に、偵察ドローン・電子戦オペレーターが追加される。案は11~14人となっている。14人は従来の構成に電子戦オペレーターを追加するのみであるが、

11名: 3名×3チーム+分隊長+電子戦オペレーター
12名: 5名×2チーム+分隊長+電子戦オペレーター

このように火力チーム自体のサイズや数を変更したバリエーション案が挙がっている。人数が変更になることで、ユニット戦術も大幅に変更されるはずだ。


Photo by Lance Cpl. Justin Toledo
またM4自動小銃をM27 IARに、Mk153を84mmカールグスタフ無反動砲に更新するなど、火器類も長射程・高威力化が図られる。


Photo By: Lance Cpl. Isabelo Tabanguil
アメリカ海兵隊の偵察小隊「スカウト・スナイパー」も近年様々な更新が行われているが、これも8名増員しが28名体制にすることが検討されている。野戦だけでなく市街地でも狙撃手達の偵察・支援能力が有用であることが明らかになったためだ。

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アメリカ海兵隊は従来、アメリカ4軍の中でも最も保守的な組織と言われており、よく言えば確立された、悪く言えば古臭い方法を取り続けてきた。しかし近年はコンパクトで自己完結した組織構成と豊富な実戦経験を利用し、一気に近代化を果たしつつある。

Source: Big changes coming to the Marine Corps’ rifle squads and scout sniper platoons

Text: Chaka (@dna_chaka) - FM201803
Chaka (@dna_chaka)
世界の様々な出来事を追いかけるニュースサイト「Daily News Agency」の編集長。

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