元グリーンベレーが語る「なぜ両目を開けて射撃するのか」
片目を閉じたほうがサイトの像を捉えやすいという人は多いと思われるが、タクティカルな射撃術においては、両目を開けて射撃するよう指示するインストラクターが多い。これはいったいなぜなのか。元グリーンベレーで「Tactical Rifleman」を主宰するカール・エリクソン氏が動画で語っている。
元来、軍では片目を閉じ「効き目」だけで射撃するように指導していた。これは余分なものが視界に入ることで集中が乱れると考えられていたからであるという。しかし近年、戦闘中の体の反応の研究が進むにつれ両目を開けたまま射撃すべきであるというように変化してきた。
Photo by Jason Johnston.
This photo is for illustration purposes only.
戦闘中は緊張によるストレス反応でアドレナリン、ノルアドレナリンなどが放出され興奮状態になり、目前のターゲットに意識が向いてしまう。そうすると片目を閉じるよう意識し続けるのが難しくなる。
このため、普段片目を閉じて射撃を訓練していると、実戦の興奮状態で両目が開いてしまった時に視界が変化し、命中精度が大きく落ちることになる。射撃検定で高得点をとるような警察官が現場で射撃を外してしまうのは、こうした人体のメカニズムにも原因がある。
では両目を開けた射撃に慣れるにはどうすればよいか。エリック氏は非効き目のシーティンググラスのレンズにリップクリームを塗りつけ視界を塞いで練習することを勧めている。慣れてきたら塗る量を減らし徐々に視界をクリアにするようにすれば、両目を開けたままの射撃が出来るようになる。
また、競技の世界ではポストイットや半透明のテープを貼り付けたり、単純にレンズを片方だけ極端に暗くして練習する方法は既に広く知られている。両目を開ける練習だけでなく、効き目の矯正にも用いることができるので、気になる人は試してみると良いだろう。
Cross dominant eye/hand - shooting - YouTube
Text: Chaka (@dna_chaka) - FM201801
Chaka (@dna_chaka)
世界の様々な出来事を追いかけるニュースサイト「Daily News Agency」の編集長。
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