災害に、アウトドアに、一つあると心強いライト、 SureFire(シュアファイア) その3 テールスイッチの不思議編
こんにちは、ミリブロNewsの今井です。

これまでの記事はこちら!
以前、私がライトに全く興味のない方にシュアファイアを(ドヤ顔で)実演込みで見せたところ、明るさにも驚かれましたが「そもそもライトの持ち方が既に私たちと違う。ハリウッド映画に出てくる警官みたい」と笑われたことがありました。
そう言われてみれば、国産のライトってテール部(おしり)ではなくヘッド部(頭部)にボタンがあって親指でボタンをスライドさせたり、押して点灯させる「順手」の様に使うデザインのものが多いですよね。
対し、シュアファイアは「逆手」のようにライトを持って親指でテール部にあるボタンを押して点灯させる・・・。
この違いはなんでしょう?
今回の「シュアファイア」の記事第3回目は少し箸休め的な感じで趣旨を変えて、「デザイン」の話をしたいと思いまっす。
非常に実用的なデザインになっている
内容が重複してしまいますがシュアファイアの製品は一部を覗いて、オン/オフや明るさを変更するボタンは必ずといっていいほどテール部にある構造になっています。
なぜシュアファイアは頑なにテール部にスイッチ類を配置するのでしょうか?
答えは「どこを握っても同じ場所にあるから」です。
・暗闇で取り出すことが多い
・瞬時に迷うことなく確実に点灯させる必要がある
・左右の手で持ちかえることが多い
これらの条件を考えると「テール部」にボタンを配置しておくデザインにしておけばユーザーはどんな角度で握っても確実に迷わずライトを点灯させることができます。ユニバーサルデザインというやつですね(ほんとか?)。
日本人には少し使いづらい?
では我々日本人はというと・・・実はテール部にボタンがあるものより、冒頭でも述べたようにヘッド部の付け根あたりにボタンがある方が使いやすいようです。
シュアファイアをライトに全く興味のない人に渡すと、ほぼ必ずと言っていいほど最初に「ヘッド部のあたり」にボタンがあるか確認し、ないとテール部を確認します。
そして一言「なんか使いにくいなコレ」。
みなさんも絶対、このデザインみたことありますよね?旅館とかに常備されている非常用懐中電灯なんてまさにこのような形をしているイメージがあります。
一昔まえなら、ここのボタンがスライド式になっていました(今でもありますが)。
なぜ日本人がつくるライトはわざわざくるくる回してボタンがある位置を探らないといけない「不便な」デザインになっているのでしょうか・・・。これについて少し面白い説を聞いたことがあります。これは我々の「歴史」に関わってくるようです。
農耕民族と狩猟民族の違い?
私が大学生だったころ、人体の構造を研究していた先生からこんなことを聞いたことがありました。
もともと日本人は農耕を主体とした民族だったので稲などを刈るときの「鎌を持つ」手つきが身につき、棒などを持つと自然と「順手」で持つ。
対し、欧米系は狩猟を主体として民族で「槍を投げようとする手つき」が身につき、棒などを持つと自然と「逆手」で持つ。
というものです。実際に私が何気なく棒きれを何人かの欧米系の知人に渡したところ「逆手」で持ち、日本人の場合は「順手」で持つことがわかりました。
このように日本人は棒を持つと順手で持つのでボタンがヘッド部に、欧米人は棒を持つと逆手で持つのでテール部にボタンを配置するデザインになった、様です。
もちろんこの説を100%正しいとするわけではありませんが、「持ち方」を意識してみるとわれわれは順手でライトを持つほうが落ち着くのは感覚的にわかるんじゃないかと思います。なので、日本人がデザインする懐中電灯のボタンはヘッド部にくるのは自然な流れなのではないでしょうか。
やっぱり作業をするならテール部にボタンがある方がいい、かな
先月、調査で山の中にいたのですが作業の関係上一晩中ライトを点けたり消したりすることを強いられました。ライトを取り出し、照らし、確認作業が終わったら消してポーチに戻す・・・
これを寒い山の中で延々と繰り返していたのです。これまで小一時間そういうことをしたことはありましたが、さすがに一晩中は初めてでした。
夜になり、太陽が登るまでひたすらこういうことをやっているとライトのボタンの位置を探すのもめんどくさくなってきます。しかも、ライトを照らしながら別作業をするのならなおさらです。
このことを考えると日本人的には多少使いにくくても、「ボタンが確実にどこかわかる」シュアファイアは良いよなァ・・・
と思えた瞬間でした。
編集後記
今回は歴史とからめながら(?)シュアファイアのデザインの話をしてみました。夜間の調査のときは本当にシュアファイアが大活躍で、一緒に仕事をしている方から「今井さんそれめっちゃ明るいっすねぇ!」なんて言われシュアファイア好きとして「いやーこのライトこれこれコレで・・・」なんてヘラヘラしながら仕事をしていました。
あれ?もしかして「めっちゃ明るいっすねぇ!」は「眩しいから消せ」という意味だったのかな?と今思いました。
日本人は農耕民族だから順手持ちで、欧米人は狩猟民族だから逆手持ちだ!
というのは流石に言い過ぎかなぁとも思いながら、理由としては面白いし一理あるよなということで紹介させていただきました。
余談ですが、和製ホラー映画やゲームで懐中電灯を使うシーンはこういう「順手持ち」でないと雰囲気がでないと個人的に思います。
これまでの記事はこちら!
2021/09/02
こんにちは、ミリブロNewsの今井です。 2021年の夏は雨でしたね。どんな記事にしようかなぁ〜と考えていた中で、私の住む地域も多分に漏れず豪雨となり、夜間にライト(シュアファイア)を使う機会が何度もありました。近所で買える手頃なライトもいいんですが、過酷な環境下で作動することを想定したシュアファイア…
2021/09/14
こんにちは、ミリブロNewsの今井です。■シュアファイア=圧倒的な明るさというのはいまさらの話ですよね。私がはじめてシュアファイアを手にしたのは中学3年生、2000年前後でレーザープロダクツ社時代の6Pモデルでした。明るさにして65ルーメンというものでしたが、明るさが革命的で友人と顔に照射しあって「目が熱い…
以前、私がライトに全く興味のない方にシュアファイアを(ドヤ顔で)実演込みで見せたところ、明るさにも驚かれましたが「そもそもライトの持ち方が既に私たちと違う。ハリウッド映画に出てくる警官みたい」と笑われたことがありました。
そう言われてみれば、国産のライトってテール部(おしり)ではなくヘッド部(頭部)にボタンがあって親指でボタンをスライドさせたり、押して点灯させる「順手」の様に使うデザインのものが多いですよね。
対し、シュアファイアは「逆手」のようにライトを持って親指でテール部にあるボタンを押して点灯させる・・・。
この違いはなんでしょう?
今回の「シュアファイア」の記事第3回目は少し箸休め的な感じで趣旨を変えて、「デザイン」の話をしたいと思いまっす。
非常に実用的なデザインになっている
逆手持ち シュアファイアといえばのスタイル
内容が重複してしまいますがシュアファイアの製品は一部を覗いて、オン/オフや明るさを変更するボタンは必ずといっていいほどテール部にある構造になっています。
なぜシュアファイアは頑なにテール部にスイッチ類を配置するのでしょうか?
答えは「どこを握っても同じ場所にあるから」です。
・暗闇で取り出すことが多い
・瞬時に迷うことなく確実に点灯させる必要がある
・左右の手で持ちかえることが多い
これらの条件を考えると「テール部」にボタンを配置しておくデザインにしておけばユーザーはどんな角度で握っても確実に迷わずライトを点灯させることができます。ユニバーサルデザインというやつですね(ほんとか?)。
日本人には少し使いづらい?
順手持ち やっぱり落ち着くこの持ち方
では我々日本人はというと・・・実はテール部にボタンがあるものより、冒頭でも述べたようにヘッド部の付け根あたりにボタンがある方が使いやすいようです。
シュアファイアをライトに全く興味のない人に渡すと、ほぼ必ずと言っていいほど最初に「ヘッド部のあたり」にボタンがあるか確認し、ないとテール部を確認します。
そして一言「なんか使いにくいなコレ」。
東芝ライフスタイル株式会社HPより抜粋
みなさんも絶対、このデザインみたことありますよね?旅館とかに常備されている非常用懐中電灯なんてまさにこのような形をしているイメージがあります。
一昔まえなら、ここのボタンがスライド式になっていました(今でもありますが)。
なぜ日本人がつくるライトはわざわざくるくる回してボタンがある位置を探らないといけない「不便な」デザインになっているのでしょうか・・・。これについて少し面白い説を聞いたことがあります。これは我々の「歴史」に関わってくるようです。
農耕民族と狩猟民族の違い?
私が大学生だったころ、人体の構造を研究していた先生からこんなことを聞いたことがありました。
もともと日本人は農耕を主体とした民族だったので稲などを刈るときの「鎌を持つ」手つきが身につき、棒などを持つと自然と「順手」で持つ。
対し、欧米系は狩猟を主体として民族で「槍を投げようとする手つき」が身につき、棒などを持つと自然と「逆手」で持つ。
というものです。実際に私が何気なく棒きれを何人かの欧米系の知人に渡したところ「逆手」で持ち、日本人の場合は「順手」で持つことがわかりました。
このように日本人は棒を持つと順手で持つのでボタンがヘッド部に、欧米人は棒を持つと逆手で持つのでテール部にボタンを配置するデザインになった、様です。
もちろんこの説を100%正しいとするわけではありませんが、「持ち方」を意識してみるとわれわれは順手でライトを持つほうが落ち着くのは感覚的にわかるんじゃないかと思います。なので、日本人がデザインする懐中電灯のボタンはヘッド部にくるのは自然な流れなのではないでしょうか。
やっぱり作業をするならテール部にボタンがある方がいい、かな
先月、調査で山の中にいたのですが作業の関係上一晩中ライトを点けたり消したりすることを強いられました。ライトを取り出し、照らし、確認作業が終わったら消してポーチに戻す・・・
これを寒い山の中で延々と繰り返していたのです。これまで小一時間そういうことをしたことはありましたが、さすがに一晩中は初めてでした。
夜になり、太陽が登るまでひたすらこういうことをやっているとライトのボタンの位置を探すのもめんどくさくなってきます。しかも、ライトを照らしながら別作業をするのならなおさらです。
このことを考えると日本人的には多少使いにくくても、「ボタンが確実にどこかわかる」シュアファイアは良いよなァ・・・
と思えた瞬間でした。
編集後記
今回は歴史とからめながら(?)シュアファイアのデザインの話をしてみました。夜間の調査のときは本当にシュアファイアが大活躍で、一緒に仕事をしている方から「今井さんそれめっちゃ明るいっすねぇ!」なんて言われシュアファイア好きとして「いやーこのライトこれこれコレで・・・」なんてヘラヘラしながら仕事をしていました。
あれ?もしかして「めっちゃ明るいっすねぇ!」は「眩しいから消せ」という意味だったのかな?と今思いました。
日本人は農耕民族だから順手持ちで、欧米人は狩猟民族だから逆手持ちだ!
というのは流石に言い過ぎかなぁとも思いながら、理由としては面白いし一理あるよなということで紹介させていただきました。
余談ですが、和製ホラー映画やゲームで懐中電灯を使うシーンはこういう「順手持ち」でないと雰囲気がでないと個人的に思います。
【この記事を書いた人】
今井浩介(いまい こうすけ)
1984年生まれ
・徳島大学大学院 先端技術科学教育部卒業
紫外線を使った医療用殺菌機器の光学研究開発と3Dの設計開発に携わる。
現在は独立してドローンを使った映像撮影・調査を行うスカイアイジャパン代表
その他経歴など
・田村装備開発株式会社 ミリブロNews、ドローン担当
・グリーンフロント研究所株式会社 UAV新技術開発室長
・株式会社アイディアミックス 英会話・英文法 関連書籍の執筆アシスタント
・DJI スペシャリスト
今井浩介(いまい こうすけ)
1984年生まれ
・徳島大学大学院 先端技術科学教育部卒業
紫外線を使った医療用殺菌機器の光学研究開発と3Dの設計開発に携わる。
現在は独立してドローンを使った映像撮影・調査を行うスカイアイジャパン代表
その他経歴など
・田村装備開発株式会社 ミリブロNews、ドローン担当
・グリーンフロント研究所株式会社 UAV新技術開発室長
・株式会社アイディアミックス 英会話・英文法 関連書籍の執筆アシスタント
・DJI スペシャリスト
元自衛官・警察官・PSCのYoutubeチャンネル『ガチタマTV』
提供:田村装備開発株式会社
★この記事へのコメント
コメントを投稿する
★この記事をブックマーク/共有する
★新着情報をメールでチェック!
★Facebookでのコメント