災害に、アウトドアに、一つあると心強いライト、 SureFire(シュアファイア) その1 歴史編
こんにちは、ミリブロNewsの今井です。
2021年の夏は雨でしたね。どんな記事にしようかなぁ〜と考えていた中で、私の住む地域も多分に漏れず豪雨となり、夜間にライト(シュアファイア)を使う機会が何度もありました。
近所で買える手頃なライトもいいんですが、過酷な環境下で作動することを想定したシュアファイアはこういう時につくづく安心だなぁと思い、私の記念すべき一灯目の記事はシュアファイアについて書くことにしました。
この時代になって色んなライトメーカーがあってコスト的に「別にシュアファイアじゃなくていいよ」という意見もあると思います。
しかし、高価なだけあって極端な環境下でも確実に作動するという安心感は何者にも変えがたいものがあります。そこでシュアファイアの歴史から魅力、日常や災害時に使えるようなおすすめはなにか?など購入するときに役立てる知識も含めそう何本も買い揃える様なものでないからこそ、知っておいてほしいTipsを幾つかの記事にわけてご紹介します!
シュアファイアのはじまりは30年も前
シュアファイアというと「ライト」ですが、その前はレーザーを使った照準器のメーカー「レーザープロダクツ社」でした(その前は工業用レーザーのメーカー。ここまでさかのぼるとほぼ50年前)。レーザー照準器をつくり、その地位を固めたら次はライト・・・という感じですね。
当時は「レーザーを照準器に使う」という発想すら理解されなかったので商業的にはほとんどウケなかったようですが、1984年にロス市警がショットガン用に発注したことから、また同年に公開された「ターミネーター」でシュワルツェネッガーが18cmもあるロングスライドのAMTハードボーラーに搭載してセンセーショナルに使用したことから徐々に認知される様になりました。
今でこそレーザーというと質の良い手のひらサイズのものが安く買えますが、当時の技術ではライフルの銃身ほどあり、運用にはかなり難儀したようです。
※余談ですが、シュワルツェネッガーがターミネーターでコートを着ているのはレーザープロダクツ社のレーザー照準器の「バッテリー」を隠すためと言われています。バッテリーをレーザー本体に仕込むことができず、外部に用意するしかなかったわけですがそれぐらい当時のレーザーは大型で複雑だったということですね。当時の資料をみる限り、ハンドガン用としては実用的ではなかった様にみえます。
また、この仕組をつくったのは1978年に法執行機関向けにはじめてレーザー照準器を取り付けた方だそうです。
1988年に初めてライトを発表
レーザー照準器で商業的に成功を収めたレーザープロダクツ社ですが、今度はこれらの技術を元にライトの開発に取り掛かります。
当時、アメリカの警官の間で問題になっていたのが「犯人は暗がりに隠れたがる」というものでした。
犯人は暗がりに隠れ、やってくる警官を待ち受けます。犯人からすると警官は明るいところから来るわけなのでシルエットは丸見え、逆に警官は犯人が見えない・・・。
もちろん警官はライトも使うわけですが、明るさがそこまで明るくないので自分の位置を晒すこととなり、場合によっては的になってしまうということが多くあったようです。
「犯人は暗闇に隠れて見えないし、かといってライトを使えば的になってしまう」
こんなジレンマをレーザープロダクツ社は「ならめちゃくちゃ明るいライトを使えばいいのでは?」というコロンブスの卵的な発想で解決しようとしました。それがシュアファイアのはじまりです。
そして1988年にはじめてレーザープロダクツ社による初の強力なフラッシュライト「シュアファイア 6C」を発表しました。電池はリチウム電池123Aを2本使ったもので、形は旧型シュアファイア6Pとほぼ同じ、特徴的なところではテール部にランヤード用の穴があいています。
この6Cの明るさはなんと驚きの60ルーメン。今のシュアファイアは同サイズで1000ルーメンとかなので時代を感じさせますね。
※明るさの単純比較はできませんが、iPhoneXのLEDは50ルーメンだそうです
また、もう一つ特筆すべきはシュアファイアから照射される光は全くムラがなくきれいな「真円」を描くということです。
田村装備開発株式会社の田村さんも動画内で言及していますが、「ブラックスポット」が全くありません。
当時のライトは(今でもそういうライトはありますが)ライトから照射される光の照射具合にものすごくムラがあり、やたら明るいところと暗くてほぼ光がないようなところの差がありました。
これでは目くらましで犯人に照射したとしても、たまたまブラックスポットのところに犯人の顔があれば効果は半減です。
こういった「ブラックスポットがあって当たり前」という部分も積極的に改良し、作り出されたのがシュアファイアだったわけですね。
※光を均一に飛ばすように設計されたツブツブの表面のリフレクターをオレンジピール(オレンジの皮)リフレクターと呼んだりします。
当時の資料では「どのライトよりも明るい」「業界スタンダードのライトより小型」「とにかく丈夫」「ミルスペックハードアノダイズド処理」といったことが書かれています。
このころはまだまだ未成熟の分野であったとはいえ、既にシュアファイアの今でもゆるがない基本コンセプトが見えますね。
当時は「レーザープロダクツ社」の「シュアファイア」という商品というカテゴリーだったのでライトには「Laser Products」「SURE・FIRE」という刻印がされています。
その後順調にレーザープロダクツ社のシュアファイアは業績を伸ばし、2000年、レーザープロダクツ社は社名をシュアファイアに変更します。
そう思うと意外に最近なんですよね。
2021年の夏は雨でしたね。どんな記事にしようかなぁ〜と考えていた中で、私の住む地域も多分に漏れず豪雨となり、夜間にライト(シュアファイア)を使う機会が何度もありました。
近所で買える手頃なライトもいいんですが、過酷な環境下で作動することを想定したシュアファイアはこういう時につくづく安心だなぁと思い、私の記念すべき一灯目の記事はシュアファイアについて書くことにしました。
この時代になって色んなライトメーカーがあってコスト的に「別にシュアファイアじゃなくていいよ」という意見もあると思います。
しかし、高価なだけあって極端な環境下でも確実に作動するという安心感は何者にも変えがたいものがあります。そこでシュアファイアの歴史から魅力、日常や災害時に使えるようなおすすめはなにか?など購入するときに役立てる知識も含めそう何本も買い揃える様なものでないからこそ、知っておいてほしいTipsを幾つかの記事にわけてご紹介します!
シュアファイアのはじまりは30年も前
シュアファイアというと「ライト」ですが、その前はレーザーを使った照準器のメーカー「レーザープロダクツ社」でした(その前は工業用レーザーのメーカー。ここまでさかのぼるとほぼ50年前)。レーザー照準器をつくり、その地位を固めたら次はライト・・・という感じですね。
当時は「レーザーを照準器に使う」という発想すら理解されなかったので商業的にはほとんどウケなかったようですが、1984年にロス市警がショットガン用に発注したことから、また同年に公開された「ターミネーター」でシュワルツェネッガーが18cmもあるロングスライドのAMTハードボーラーに搭載してセンセーショナルに使用したことから徐々に認知される様になりました。
今でこそレーザーというと質の良い手のひらサイズのものが安く買えますが、当時の技術ではライフルの銃身ほどあり、運用にはかなり難儀したようです。
(For Illustration Purpose Only) https://thecoltar15resource.com/より引用
※余談ですが、シュワルツェネッガーがターミネーターでコートを着ているのはレーザープロダクツ社のレーザー照準器の「バッテリー」を隠すためと言われています。バッテリーをレーザー本体に仕込むことができず、外部に用意するしかなかったわけですがそれぐらい当時のレーザーは大型で複雑だったということですね。当時の資料をみる限り、ハンドガン用としては実用的ではなかった様にみえます。
また、この仕組をつくったのは1978年に法執行機関向けにはじめてレーザー照準器を取り付けた方だそうです。
1988年に初めてライトを発表
レーザー照準器で商業的に成功を収めたレーザープロダクツ社ですが、今度はこれらの技術を元にライトの開発に取り掛かります。
当時、アメリカの警官の間で問題になっていたのが「犯人は暗がりに隠れたがる」というものでした。
犯人は暗がりに隠れ、やってくる警官を待ち受けます。犯人からすると警官は明るいところから来るわけなのでシルエットは丸見え、逆に警官は犯人が見えない・・・。
もちろん警官はライトも使うわけですが、明るさがそこまで明るくないので自分の位置を晒すこととなり、場合によっては的になってしまうということが多くあったようです。
「犯人は暗闇に隠れて見えないし、かといってライトを使えば的になってしまう」
こんなジレンマをレーザープロダクツ社は「ならめちゃくちゃ明るいライトを使えばいいのでは?」というコロンブスの卵的な発想で解決しようとしました。それがシュアファイアのはじまりです。
そして1988年にはじめてレーザープロダクツ社による初の強力なフラッシュライト「シュアファイア 6C」を発表しました。電池はリチウム電池123Aを2本使ったもので、形は旧型シュアファイア6Pとほぼ同じ、特徴的なところではテール部にランヤード用の穴があいています。
この6Cの明るさはなんと驚きの60ルーメン。今のシュアファイアは同サイズで1000ルーメンとかなので時代を感じさせますね。
※明るさの単純比較はできませんが、iPhoneXのLEDは50ルーメンだそうです
また、もう一つ特筆すべきはシュアファイアから照射される光は全くムラがなくきれいな「真円」を描くということです。
田村装備開発株式会社の田村さんも動画内で言及していますが、「ブラックスポット」が全くありません。
当時のライトは(今でもそういうライトはありますが)ライトから照射される光の照射具合にものすごくムラがあり、やたら明るいところと暗くてほぼ光がないようなところの差がありました。
これでは目くらましで犯人に照射したとしても、たまたまブラックスポットのところに犯人の顔があれば効果は半減です。
こういった「ブラックスポットがあって当たり前」という部分も積極的に改良し、作り出されたのがシュアファイアだったわけですね。
※光を均一に飛ばすように設計されたツブツブの表面のリフレクターをオレンジピール(オレンジの皮)リフレクターと呼んだりします。
当時の資料では「どのライトよりも明るい」「業界スタンダードのライトより小型」「とにかく丈夫」「ミルスペックハードアノダイズド処理」といったことが書かれています。
このころはまだまだ未成熟の分野であったとはいえ、既にシュアファイアの今でもゆるがない基本コンセプトが見えますね。
当時は「レーザープロダクツ社」の「シュアファイア」という商品というカテゴリーだったのでライトには「Laser Products」「SURE・FIRE」という刻印がされています。
レーザープロダクツ社時代の6P
その後順調にレーザープロダクツ社のシュアファイアは業績を伸ばし、2000年、レーザープロダクツ社は社名をシュアファイアに変更します。
そう思うと意外に最近なんですよね。
【この記事を書いた人】
今井浩介(いまい こうすけ)
1984年生まれ
・徳島大学大学院 先端技術科学教育部卒業
紫外線を使った医療用殺菌機器の光学研究開発と3Dの設計開発に携わる。
現在は独立してドローンを使った映像撮影・調査を行うスカイアイジャパン代表
その他経歴など
・田村装備開発株式会社 ミリブロNews、ドローン担当
・グリーンフロント研究所株式会社 UAV新技術開発室長
・株式会社アイディアミックス 英会話・英文法 関連書籍の執筆アシスタント
・DJI スペシャリスト
今井浩介(いまい こうすけ)
1984年生まれ
・徳島大学大学院 先端技術科学教育部卒業
紫外線を使った医療用殺菌機器の光学研究開発と3Dの設計開発に携わる。
現在は独立してドローンを使った映像撮影・調査を行うスカイアイジャパン代表
その他経歴など
・田村装備開発株式会社 ミリブロNews、ドローン担当
・グリーンフロント研究所株式会社 UAV新技術開発室長
・株式会社アイディアミックス 英会話・英文法 関連書籍の執筆アシスタント
・DJI スペシャリスト
元自衛官・警察官・PSCのYoutubeチャンネル『ガチタマTV』
提供:田村装備開発株式会社
★この記事へのコメント
コメントを投稿する
★この記事をブックマーク/共有する
★新着情報をメールでチェック!
★Facebookでのコメント