米陸軍、ジャングル戦での利用に特化した新たな戦闘服を開発中
米陸軍ナティック兵士研究開発技術センター (NSRDEC: Natick Soldier Research, Development and Engineering Center) 主導によって、ジャングル戦に特化した新たな戦闘服の試作品が、ハワイの熱帯雨林でテストに供されている。
Photo: via 25th Infantry Division
ハワイ州スコフィールド・バラックスに司令部を置く、第 25 歩兵師団 "Tropic Lightning" の兵士が、師団の所有するジャングル戦センターで試作品の開発に協力。「JFADE (Jungle Fabric and Architecture Development Effort) 」と呼ばれるジャングルに適した生地と戦闘服における構造開発の取り組みがおこなわれている。
関連記事:
⇒米特殊作戦軍 SOCOM、ジャングル・ユニフォーム用新素材を求める
⇒太平洋地域へ軸足、米陸軍が新たなジャングルブーツの選定へ
陸軍の発出している情報依頼書 (RFI: Request For Information) によると、華氏 75 ~ 90 度 (=摂氏 23.9 度~ 32.2 度) で且つ湿度 75 ~ 100% という高湿度環境下での利用を想定した、既成概念に囚われない新たな技術や素材を使った戦闘服の開発が求められている。
そしてその要求内容を優先度をもって紐解いてみると、通気性と速乾性を持ち、軽量で耐久性があることと、使われる素材は洗濯機で洗うことができなければならない他、融けて滴らない素材で、蚊やダニ、ツツガムシなどの病原媒介生物を忌避させるペルメトリン (Permethrin) などの薬液に順応することなどが挙げられている。
事実これら試作品上に現れた改良点について、NSRDEC では以下のように解説している。
そしてその要求内容を優先度をもって紐解いてみると、通気性と速乾性を持ち、軽量で耐久性があることと、使われる素材は洗濯機で洗うことができなければならない他、融けて滴らない素材で、蚊やダニ、ツツガムシなどの病原媒介生物を忌避させるペルメトリン (Permethrin) などの薬液に順応することなどが挙げられている。
また、公開されている試作品の写真からは、従来の戦闘服と比較して以下のような改良点が見出せる。
・ジャケットの前がファスナーではなくボタン留め砂漠とは異なり、草や木屑、泥などのゴミによって接着力が弱くなることを想定してか、ベルクロの利用が廃止され、不要なポケットが取り払われたことによって通気性と速乾性の向上を目指していることが読み取れるものとなっている。
・腕ポケットのフラップがベルクロ式からファスナー式に変更
・パンツもボタン留めに変更
・パンツの裾にある小型のポケットが廃止
事実これら試作品上に現れた改良点について、NSRDEC では以下のように解説している。
・試作品の戦闘服には、汗などを吸収し、繊維の外へ水分を逃がす「モイスチャーウィッキング (moisture wicking) 」機能や、通気性の高い素材を用いているJFADE のプロジェクト開発チームでは、開発を継続して 2017 年秋に 2、3 の試作品へ絞り込みたい考え。兵士らの意見をフィードバックして形作ったジャングル戦用のユニフォームは、軍全体へ新たな標準仕様として広まることになる。
・ジャケットの胸や背中側に通気口 (ventilation port) を配している
・迅速な冷却効果に期待でき、ボディーアーマーとの組み合わせの際に便利な取り外し式のポケットを採用している
★この記事へのコメント
コメントを投稿する
★この記事をブックマーク/共有する
★新着情報をメールでチェック!
★Facebookでのコメント