開催場所は千葉県の習志野演習場。
朝から曇り→昼過ぎから雨予報というイマイチな天候でしたが降下に影響を与える風がほとんどなかったのが幸いでした。
このイベントでの空挺降下はC-1やC-130Hといった輸送機からのものがメイン。
C-1は入間基地の所属機(第402航空隊)で、高度340m、時速240km/hのからパラパラと「両扉連続降下」で飛び出していきます。
またCH-47やUH-1といった回転翼機からの降下も行われました。
使用される落下傘は2種類。
左が12式空挺傘(ヒトニーサン)、右が13式空挺傘(ヒトサンサン)。
12式空挺傘は操縦性に優れるM696M1(フランス製)。
一方の13式空挺傘は国産品(藤倉航装製)。空中接触時に傘体がつぶれにくく、輸送機からの両扉降下が可能となりました。
こちらは航空自衛隊のメディックの降下展示。
3名が自由落下傘による高高度降下を行いました。
空自独自のデジタル・ピクセル迷彩を着用しています。
そして話題となっていた米陸軍・グリーンベレーのパラシュート降下も実施されました。
沖縄の1st SFGの15名が陸自のCH-47から一斉に降下。降下訓練始めでは初となる米軍の訓練展示です。(当初報道ではグリーベレーの参加は9名でしたが、その後の報道によると「15名」となっています)
遠方への降下に加えてすぐ回収されてしまったため、間近で見るチャンスはありませんでしたが、画像から米軍ならではの装備やM4カービンがかろうじて確認できます。
落下傘も自衛隊のものとは違いますね。
隊員は降下後に青と赤に別れた部隊による訓練展示を実施しました。
まずはAH-64D(航空学校霞ヶ浦校)やAH-1S(第4対戦車ヘリコプター隊)による地上部隊の支援。攻撃ヘリの匍匐飛行が直近で見られます。
その後方ではUH-1からのリペリング降下が。
CH-47は主力部隊のヘリボン輸送を担います。
他にもCH-47からはファストロープによる降下も実施されました。
小銃小隊は89式やミニミを使用して攻撃を行います。
攻撃判定は交戦訓練装置(バトラーシステム)を使用していました。
また低高度支援を行うUH-1には対人狙撃銃を装備する狙撃班を搭載。
ギリースーツを着用していない狙撃班はレアかもしれません。
このように訓練展示も無事に終了し、平成29年の降下訓練始めは終了しました。
今回は地上車両が極めて少なく、10式戦車や軽装甲機動車などの参加はありませんでした。また、ヘリの飛行展示も例年に比べて控え目だった印象も拭えません。
とはいえ、実際の空挺降下が目の前で見られるとあって、多くの観客で賑わいました(来場者数10,000人との発表あり)。
毎年年始恒例のこの降下訓練始めですが、首都圏のファンにとってはやはりハズせない自衛隊イベントといえるのではないでしょうか。
Text & Photo: 乾宗一郎