ヨルダンのアブドラ国王が陸上自衛隊『特殊作戦群』の訓練を視察

ミリタリーブログサポートチーム

2018年11月28日 12:46


Photo from Prime Minister of Japan and His Cabinet.
ヨルダンの『アブドッラー2世・イブン・アル・フセイン国王』(以下、アブドラ国王)が25日に来日し、27日に安倍晋三首相と共に陸上自衛隊・習志野演習場を訪れ、『特殊作戦群』の訓練視察をおこなった。
27日午前10時36分、安倍首相が東京・市谷本村町の防衛省でアブドラ国王を出迎えた。両首脳を乗せた陸自ヘリコプターは50分に千葉県船橋市の習志野演習場に到着。藤村太助・第6代特殊作戦群長による部隊の概要説明を受け、11時8分より訓練視察をおこなっている。43分には演習場を後にしていることから、訓練視察時間は30分程度であったことが窺える。

特殊作戦群の訓練視察に関するこの日の首相動静は以下の通り。
なお視察の様子については「機密性の高さ」を理由に非公開となっている。

1020 東京・市谷本村町の防衛省に入る。
1029 ヨルダンのアブドラ国王を出迎え。
1036 アブドラ国王とともに陸上自衛隊ヘリコプターで同所発。
1050 千葉県船橋市の陸自習志野演習場着。
1056 藤村太助陸自特殊作戦群長の部隊の概要説明。
1108 訓練視察。
1143 アブドラ国王とともに陸自ヘリで同演習場発。
1157 防衛省着。
1202 アブドラ国王を見送り。

今年1月、安倍首相はオーストラリアのマルコム・ターンブル(Malcolm Turnbull)首相と共に特殊作戦群の視察をおこなっている。日本の現職首相による特殊作戦群の視察自体がこの時初めてであり、外国首脳への公開も初めてだった。
ターンブル首相の際は、前後半に分かれて計37分の視察がおこなわれている。

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Screenshot from Jordan Armed Forces.

1999年に即位したアブドラ国王は、タクシー運転手などの一般人に変装して直接国民の声を聞くなど破天荒なエピソードを数々もっており、並外れた行動力から国民の支持を得ている。2017年4月には、国王自ら軍の近接戦闘訓練に参加。敵地に乗り込みアジトを襲撃する想定の訓練で、隊員らと共に汗を流す映像は瞬く間に拡散され話題をさらった。

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アブドラ国王の略歴は以下の通り。
1962年1月30日生

学歴:
1980~81年英王立陸軍士官学校
1983年~英 オックスフォード大学聴講生(国際政治)
1987~88年米 ジョージタウン大学大学院修士課程(国際関係論)
1990年英 指揮幕僚学校

職歴:
1962~65年皇太子
1981年ヨルダン陸軍少尉任官
1984年陸軍中尉
1985~86年陸軍大尉、第91師団戦車大隊長
1986~87年空軍対戦車ヘリコプター隊戦術教官
1989年陸軍少佐、第17師団戦車大隊長
1992年第40旅団装甲大隊長
1993年陸軍大佐
1994年6月陸軍准将
1994年7月ヨルダン特殊部隊司令官
1998年陸軍少将
1999年1月皇太子に叙任
1999年2月国王に即位
アブドラ国王の来日は国王として10度目となる。

Source: 首相、ヨルダン国王と陸自視察, 首相動静―11月27日
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