世界初?一般男性がホームメイドでポータブル仕様の「レールガン (電磁投射砲) 」を製作
自家製ポータブル「レールガン」を造り上げてしまった男性が、海外の技術系フォーラムを中心に大きな話題となっている。
これは「NSA_Listbot」のハンドルネームで、オンライン画像共有サービスの Imgur や、ソーシャルブックマークサービス Reddit で活動している人物が、3D プリンターを使って製作した世界初の試みと考えられている。
(今回のレールガン製作に当たって NSA_Listbot 氏は、PhysicsThings の世界最小を謳うレールガン作成ガイドと、Sam Barros 氏著の PowerLabs Rail Gun 2.0 研究レポートを参照にしているようだ)
火薬・化学推進剤を使う従来型の小銃・火砲と違い、レールガンは「フレミング左手の法則」でお馴染みの「電流」と「磁界」から発生する物理力である「ローレンツ力」を活用した「電磁投射砲」。2 本のパラレル (平行) となった金属レールを砲身にし、電気を流し、発生した莫大なローレンツ力を利用することで砲弾を放出させる仕組み。
仕組み上、その構造には大規模な電気回路が必要となり、①動力源 (電源)、②平行した 2 本のレール、③移動電機子 (moving armature) の 3 つで主に構成される。今回の自家製ポータブル レールガンの場合、6 つのコンデンサ (capacitors) で 9 キログラムの重量からも「ポータブル」とは言えど、一般的なライフルと比べてかなり大型になってしまうようだ。これら 6 つのコンデンサによって 1,050 ボルトを供給し、1.8 キロジュールの射出エネルギーを生み出している。
WXPR-1 Test 2
試射の様子を示した映像では、アルミニウム製の発射体が毎秒 250 メートルの速度で射出され、90 センチメートルほど離れた場所に置かれた鉄製の裏張りのあるベニヤ板に当たって跳ね返り、1 センチメートル強の凹みを付けている。
レールガンは原理上、火薬の爆発する箇所や部品が無い為、構造やメンテナンスが比較的簡単である他、発射サイクルを飛躍的に向上させることができるなど、多くのメリットを持つとされる。その為、未来の兵器として注目を集めており、現在軍用で開発されているレールガンの場合では、約 10.4 キログラムの発射体を毎秒 2,200 メートル以上の速度で射出することが可能とされる。
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⇒米軍ONR、レールガンEMRGで1,000発目の試射を実施
www.3ders.org 2015/10/18
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