特集:「BLACK COMMAND」民間軍事会社を題材にした新作スマホゲームの世界観を徹底解説

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特集:「BLACK COMMAND」民間軍事会社を題材にした新作スマホゲームの世界観を徹底解説
カプコンが開発し、ミリブロが軍事監修で携わったスマホゲーム「BLACK COMMAND」について、いよいよ告知できる日がやってきた。本作は「民間軍事会社(PMC)の戦争ビジネス」をテーマにし、思考力と瞬発力を使って楽しむゲームとなっている。特集を組んでお届けする記念すべき第1回目の投稿では、本作の世界観を解説しつつ、ゲームの概要をご紹介したい。
■「BLACK COMMAND」とは
「BLACK COMMAND」はPMCの中でも現場を担当するオペレーター/指揮官となり、限られた人員、資源、時間をフルに活用して世界各地の紛争地で様々なミッションを戦うゲームである。戦場のリスクとビジネスのリターンを常に秤にかけて行動する、現実のPMC運営の雰囲気を味わうことができるゲームだ。

■現代の紛争と「戦争ビジネス」
単純な戦争というものはそもそも存在しないが、冷戦以降の紛争は非常に複雑だ。西側・東側は互いに全面核戦争を避けつつ、しかし武力によって政治目的を達成しなければならない。各国とも自分たちの代理となり、しかも一見関係の無いような武装勢力を必要としていた。

また、戦後の「小さな政府」志向は、カネのかかる組織、軍隊の縮小にはたらくのは当然だった。 平時は教育費用と給料を支払って維持しなければならず、いざ実戦となれば一つの街が丸ごと動き回るのと同じコストがかかる。死亡すれば遺族年金などの補償が必要になる上に「○○軍の死者何名」と報道され、政権の維持が危うくなることもある。

PMCの誕生は、いわば必然であったと言える。初期には第二次世界大戦の終了、全盛期には冷戦構造の崩壊によって失業した軍人たちの集まりとしてスタートしたPMCは、やがて「カネで買える戦闘力」として、かつては軍隊の仕事であった「暴力」のアウトソーシング先となった。

PMCの業務は様々だ。平和交渉を行う外交チーム、資源掘削会社の警護、あるいは「ホット」になる直前の事情偵察など、表立って正規軍を送り込むことが出来ない場所は彼らの出番となる。より戦略的なレベルでは部隊の訓練、将官の教育、兵站システムの構築、航空機やドローン部隊の整備・補給・運用サービスというのもある。軍が自前でやるよりも、より安く、そして使い捨てにできるPMCは一大ビジネスとなった。


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■「BLACK COMMAND」のチーム編成はカネ次第
「BLACK COMMAND」では、この辺りの「ビジネス」のエッセンスをふんだんに取り込んでいる。戦争をテーマとしたゲームでは、兵士たちはヒーローとして手厚く扱われるが「BLACK COMMAND」では一つの使い捨てのコマでしかない。ゴロツキに近い者から元特殊部隊員までバックグラウンドは様々。当然雇用コストも変化する。任務の内容や他のメンバーとの能力バランスを見ながらのチーム編成は奥深い。なお戦場で死ねば復活することはなく、あらたに雇い入れなければならない。

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■判断基準はコストとリターン……「BLACK COMMAND」における「戦場ビジネス」
チームを編成したら会社を回していくべく、数々の「派遣先」と「任務」から適したものを選んで参加していく。派遣先や任務の危険度、難易度によって展開時のコストと成功時リターンは様々である。物資運搬の「護衛」という低脅威のものから、重武装した敵を排除してその場を「制圧」する高難度のミッション、拠点の「破壊」、重要人物の「救出」といったものまで様々な任務を請け負う。

正規軍とPMCの最も大きな違いは行動規範だろう。政治のため、国のために働く正規軍と違い、PMCの判断基準は「ビジネスが成立するかどうか」である。アフリカで猛威を奮ったエグゼクティブ・アウトカムズ(EO)社は、シエラレオネ内戦で政府軍の教育や直接戦闘への参加を行っていた。しかしシエラレオネ政府はEO社との契約を打ち切りEO社と同資本であるサンドライン社と契約。するとサンドライン社の兄弟会社であるライフガード社は、反政府勢力の支援を行う。つまり、同資本の兄弟会社同士が内戦を煽り、ビジネスを継続させたのだ。

「BLACK COMMAND」でもコストとリターン、クリア条件よく考慮して任務を選択しなければならない。無用な仕事をする必要はないし、時に損害を許容するシビアな判断を求められることもある。コストに合わなければ味方を見殺しにすることもあるだろう。

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■カネで買える生き残りのチャンス……最新兵器と「BLACK COMMAND」
私企業であるPMCでは、コストと利益が最も重視される。プレイヤーが操るチームは5人編成と数的には劣勢になるが、代わりにカネの力で戦闘力を増強することが可能だ。展開する紛争地の情報を基にして、自由に武装を選択・変更することができる。

選択できるプライマリーおよびセカンダリーの小火器は150種類以上、さらには数段階の「質」が設定されており、それぞれ入手経路を確保することで購入できるようになる。なお、プライマリーウェポンでは、アサルトライフル、ライトマシンガン、サブマシンガン、スナイパーライフルの中から選べ、セカンダリーとしてピストルが携行できる。

すべての登場銃器は実際に世界各地の紛争地で投入されてきたもの、或いは今後投入される予定にあるものを題材に描かれている。性能は使用する弾薬の口径、薬量、バレル長、装弾数……などをもとに算定。とりわけプライマリーウェポンについては、「重量」も「操作性」として数値化され機動力に影響することになる。そして銃が100%動作するとは限らない。そのため銃の信頼性についても考慮しなければならない。

またアンロックされた銃器は本体に備わった性能だけでなく、各種アクセサリーを取り付けてカスタマイズすることで、更にその性能を引き出すことができる。

派遣先によっては、迫撃砲などの強力な火器が設置されているほか、クライアントや友軍による近接航空支援(CAS)を受けることができる。もちろん支援は「有料」だ。報酬とのバランスを常に頭に入れて作戦を立案する必要があるだろう。

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■鳥の視点(バードビュー)から戦場を支配する指揮官
戦場の様子をリアルタイムで上空から観測し指揮をする、というのは決して夢物語ではない。映画「パトリオット・ゲーム」で、テロリストキャンプ襲撃作戦を偵察衛星からの映像で見守るシーンがあったし、現実世界でもビンラディン暗殺作戦のライブ中継をホワイトハウスの高官達が注視する写真が話題となった。

こうした現代的な戦闘を「BLACK COMMAND」では、モニター越しの近未来的なビジュアルと派手な演出で楽しむことができる。チームの5名の動きは「通常移動」「警戒移動」などから選べ、いずれも実際の教本に示されたフォーメーション通りの動きを見せる。

マップ上ではプレイヤーの任意でルートを採ることができる。敵の背後から攻撃を仕掛け、奇襲に成功すれば、こちらのチームに損害なしで戦闘を進めることが可能だ。長射程な銃器で敵アウトレンジから攻撃をしかけたり、軽量な武器で動き回り、敵の背後をつくのもいいだろう。

マップ上には狙撃に適した高台や、奇襲に打ってつけの茂みのほか、高い機動力と防御力を持つヴィークルや遠く離れた敵を一網打尽に殲滅させる迫撃砲などプレイヤーに有利になる各種のオブジェクトが存在している。

また、大規模な戦闘ともなれば、味方の別動隊と共同作戦を敷くこともある。そのため、これらをどのタイミングでどのように活用するかが、マップ攻略の要となる。何度も違う編成・違う作戦で戦える、奥の深いゲームになっている。

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■民間軍事会社経営を手のひらで
傭兵という仕事は昔からどこかロマンを感じさせるものであったが、現代の戦場ではそうした感傷は急速に消えつつあり、冷たい市場主義が支配するものとなった。戦闘のためにカネが積まれ、その戦闘によって生まれたカネが、また戦場に流れ込んでいく……戦争ビジネスの暗いサイクルの、そのエッセンスを「BLACK COMMAND」では、スマートフォンを使って手のひらの上で、いつでもどこでも楽しめる。


配信開始は9月下旬予定、ミリタリーブログでは数回に分けて特集記事を紹介する。

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