米陸軍の迷彩ユニフォームが10/1付で「UCP」から『OCP』へ完全切り替え

ミリタリーブログサポートチーム

2019年10月03日 19:30


Photo by Pfc. Nyatan Bol
米陸軍の迷彩ユニフォームが10月1日付で、これまでの『UCP(Universal Camouflage Pattern)』から『OCP(Operational Camouflage Pattern)』へ完全切り替えとなった。

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Photo Credit: PEO Soldier
2005~2014年に制式ユニフォームに採用されたUCPは、当初「全ての環境に適合する」との触れ込みだったが、兵士の間ですこぶる不評を買っていた。
今回の完全切り替えについてメディアの取材に答えたある兵士は、「UCPが文字通りに『ユニバーサル(普遍的)』だったのは、『全ての兵士に嫌われていたことだ』」「迷彩効果が殆どの環境で劣っていた」「更に悪いことに、簡単に色褪せを起こすんだ」と語っていることからも、如何に不評であったことかが窺い知れる。

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米国内務省 土地管理局による迷彩技術に関する研究レポート

Operational Camouflage Pattern Army Combat Uniform (ACU)

Photo Credit: PEO Soldier
UCPは、「チョコチップ」「ウッドランド」をリプレイスする迷彩パターンとして、陸軍ネイティック兵士システムセンターが開発。その際、一連の作業において50億ドル(約5,500億円)もの巨費が投入されている。
背景には、2002年にカナダ軍が「CADPT(Canadian Disruptive Pattern)」と名付けたデジタル迷彩パターンを採用して以降、迷彩界に「デジタル迷彩」がトレンドになったことも挙げられている。

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そして2010年に陸軍は、長期的なUCPの代替品を模索するため、クライ・プレシジョン社(Crye Precision LLC.)製『マルチカム(Multicam)』迷彩のユニフォームを着た部隊をアフガニスタンに展開。5年間の評価試験を経て2015年にその亜種、コードネーム「スコーピオン(Scorpion)W2 」を起源とする迷彩パターンが、陸軍戦闘服(ACU…Army Combat Uniform)の後継迷彩(OCP)に採用されている。

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その後2015年7月に、UCPからOCPへの移行期間が開始。2019年10月1日以降は、全ての陸軍兵士を対象に、OCPユニフォームにTシャツとTAN 499のベルト、コヨーテブラウンのブーツといった基本構成での着用が求められている。

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Source: The Army finally bids farewell to UCP
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