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米軍プロテクション技術の研究

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Photo Credit: Patrick Albright


銃弾が飛び交う戦場で、最後に兵士の身体を守るものは、ボディアーマーである。万が一被弾しても、致命傷とならないようなボディアーマーが求められることは言うまでもない。

米陸軍の戦闘能力開発部(Combat Capabilities Development Command…CCDC)では、ボディアーマーだけで、10個の研究トピックに取り組んでいる。

「米国は、世界最高のボディアーマーを開発しているが、敵はさらにそれを突き破る手段を考えています」。同研究プログラムリーダーのクリストファー・ホッペル博士は言う。

ボディアーマーの研究では、単に防弾能力を高めるだけでなく、兵士の行動、つまり射撃や移動、さらに待機や訓練時の兵士の負担の軽減も主要課題として取り組んでいる。具体的に言えば、現行のボディアーマーと互換性がありながらも、さらに軽量なものである。

研究プログラムは、大きく3つの柱でできている。終末弾道、アーマーの素材、そして計算力学の大きく3つの柱でできている。(計算力学は、力学の原理で支配される現象を研究する計算手法の科学である。理論や実験科学に加えて「第3の方法」として考えられている)

「短期的には、コンパクトにまとめたボディアーマーとして小火器の脅威に対応できるような弾道メカニズムを実証したいと思っています。同時に、新しいセラミック技術も研究し、重さと大きさを最小限にしようとも思っています」前述のホッペル博士
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Photo Credit: Neil Adams


すでに、非常に強靭でありながら軽量の合成ダイアモンドなどを配合した最新セラミック技術や命中した弾の運動エネルギーを吸収することができる超高分子ポリエチレン複合素材の研究も行っている。
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Photo Credit: Screenshot


昨年、陸軍の科学者は、アーマーを突き抜けた後にできる鈍的外傷(blunt trauma)を概算し、非貫通衝撃中の身体へのエネルギーの伝達の研究を始めた。アーマの内側を調整を施し、アーマーの重量を最大20%減らすことができたという。

兵士の生命を守るボディアーマーと兵士の生命を奪う弾道学の研究は、果てしない競争である。アメリカ軍の研究者たちの試練と努力が続く。

Source: Army researchers pursue Soldier protection technologies

Text: 友清仁 - FM202002

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