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米軍HH-60ブラックホークが最新の救助システム試験で迅速な救助活動を実現

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米軍HH-60ブラックホークが最新の救助システム試験で迅速な救助活動を実現
A medical variant of the U/HH-60 Black Hawk helicopter (For Illustration Purpose Only)

 米軍はヴィータ・インクリナタ・システムズ社の救助システムをHH-60ブラックホークに搭載し、人命救助の模擬任務にて試験した。

 搭載されたシステムはGPSと各種センサーから機体の位置や姿勢に関する情報を取得し、ドローンの姿勢制御技術を応用した制御機構で機体の揺れや回転、風による不規則な位置のずれを抑制する。救助隊員はパイロットと連携をとり、機体の位置だけでなく、ケーブルに繋いだ担架の方向や投下位置を精密にコントロールすることが可能である。これにより、救助物資および救助隊員の安全な降下が可能となる。

 公開されている映像では、機体が風に煽られた状態の中、担架を木々の間の狭い空間に投下する様子を見ることができる(動画ページリンク)。

 このシステムは試験において救助活動の効率化に成功し、ホバリング時間の削減を実現した。一刻を争う現場において、このシステムは要救助者の迅速な搬送に大きく貢献するとされている。

 また、試験によって得られた米軍からのフィードバックをもとに、救助にかかる時間・安全性・正確性をより高めると同時に、軍が現場に駐留する時間をさらに減らすことで兵士やパイロットのリスクを低減できるよう開発を進める方針である。

 当社の最高技術責任者(CTO)と共同創立者は当試験について、
「現場の兵士やフライトクルー(当試験ではヘリコプターパイロット)のフィードバックは非常に貴重であり、その価値は計り知れないほど大きい。その効果は今後のシステムのパフォーマンスが証明するだろう。」
と述べている。
松井の所見:
 軍の中でシステムや設備の影響を最も強く直に受けるのは、現場の兵士や航空機・船舶のクルーである。民間企業が現場から得られた意見を尊重・重視し開発中の製品に反映することは、価値のある製品を生み出す過程で不可欠である。軍と民間企業がこのような密接な連携から現場を第一に考えた製品開発を進めることで、文字通り”使える”製品・システムが提供され、現場で従事する隊員もまた、配備された製品を信頼して任務に向かうことができるのではないだろうか。


Source: US Army HH-60 Black Hawk helicopter tests Vita Rescue System - Army Technology

Matsu (@mattsannENG)
原子核工学を専攻し、量子光学まで専門性を発展させる。その後、航空系防衛製品の輸入関連に従事。現在は田村装備開発(株)のミリブロ担当としてNews記事を執筆している。
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