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NATO保守整備補給機関がドローンとレーダーによる弾道ミサイル追跡システムを開発

海外軍事 Comments(1)
NATO保守整備補給機関がドローンとレーダーによる弾道ミサイル追跡システムを開発
A quadrocopter and a Radar transponder (For Illustration Purpose Only)

 北大西洋条約機構(NATO: North Atlantic Treaty Organization)が公表した記事によると、NATO保守整備補給機関(NSPA: NATO Support and Procurement Agency)は四枚回転翼ドローン(通称:クアッドコプター)と防空レーダーを組み合わせた弾道ミサイル追跡システムを開発した。

 弾道ミサイルの脅威が急速に増す中で、NATOはこれを効果的に抑止する方法を模索し続けていた。このミサイル追跡システムは、ドローンとレーダーが無線によって情報交換し、ミサイルの軌道を推測するものである。NSPAのエンジニアチームはドローンとレーダーから得られたデータを分析し、ミサイルの正確な位置を特定することができる。

 このシステムにより、NATOは従来よりもコストと時間をかけずに弾道ミサイルに対抗できる能力を得たことになる。NATOに加盟している全ての国がこのシステムを利用でき、レーダーがどこに設置されていても機能する。試験は現在も継続されており、様々な条件のもとでシステムの有効性を確かめていく方針である。

 NATOが保有する統合防空・ミサイル防衛システム(NATO IAMD)は平時・有事のどちらの任務にも欠かせない存在であり、国土と国民を守りつつ脅威を排除する上で重要である。

 今後は様々な形式のレーダーに当システムを適用できるように開発を進める予定であり、いくつかのレーダーでは既に実際の任務での有効性を示している。
松井の所見:
 ミサイル防衛は今やどの国にも欠かせないものとなっている。軍事技術が著しく発展し、従来のようなレーダーとミサイルシステムによって構成された防空システムでは迎撃が困難になりつつある中で、航空機やドローンからの支援を導入して防空能力を向上させようとする試みは米国をはじめとしてNATOの間では盛んに研究されているようである。日本もまた、ミサイルの脅威に晒されている国であることは確かであり、飛来するミサイルもかなりの数に上るかもしれない。これを考えると、現代の日本は本記事で紹介されたような技術を積極的に取り入れ、防衛基盤をさらに発展させることが急務である。

出典:アーミー・レコグニション 「NATO NSPA has developed new solution to track ballistic missiles using drone and radar」


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Matsu (@mattsannENG)
原子核工学を専攻し、量子光学まで専門性を発展させる。その後、航空系防衛製品の輸入関連に従事。現在は田村装備開発(株)のミリブロ担当としてNews記事を執筆している。
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この記事へのコメント
レーダートランスポンダー載せたクアッドコプターはレーダーのテスト用に弾道ミサイルを模擬するもので、
実際の弾道ミサイルが飛来した時の探知にはクアッドコプターは直接寄与しないという理解で良いでしょうか?
Posted by ででっぽ | at 2021年08月01日 18:36
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