英陸軍特殊部隊 SAS のセレクションを体験するレポート番組「SAS: Who Dares Wins」

映画・テレビ Comments(0)
英陸軍特殊部隊 SAS のセレクションを体験するレポート番組「SAS: Who Dares Wins」
英国の公共テレビ局「チャンネル 4 (Channel 4) 」の番組で、陸軍特殊部隊「SAS (Special Air Service, 特殊空挺部隊) 」のセレクションを体験するレポートシリーズ「SAS: Who Dares Wins (挑む者に勝利あり) 」が 19 日から放送開始となった。

SAS は英陸軍の主要な特殊部隊組織で、今日までに他国で類似した特殊部隊の創設に多くの影響を与えてきたことで知られる。その創設は 1941 年に遡る。当時、北アフリカに展開していたドイツ軍陣営の背後を攻略する為に、長距離砂漠挺身隊 (LRDG: 長距離砂漠挺身隊) と共同する部隊として運用がおこなわれている。

小規模で秘密のベールに包まれた組織ゆえに、マスコミからは注目を集める存在の SAS。多くの人々の関心と裏腹に、英国防省はこれまで SAS セレクションの様子をフィルムに収めることを決して許さなかった。

今回放送される番組では、30 名の健常な男性を、世界有数のタフさで知られる SAS セレクションを 8 日間に凝縮した環境に放り入れ、その時に何が起こるかを示すという。彼らが直面する厳しい試練の数々は、退役した 4 名の SAS 隊員と、1 名の SBS (Special Boat Service, 海兵隊特殊舟艇部隊) 隊員が監修し、体力における究極のテストと、必要要件として重要な心理的回復力にも迫る。
SAS セレクションは英陸軍で最も要求レベルの厳しい軍事訓練コースで、200 名ほどの志願者で始まるものの、やり遂げる者はその内の僅か数パーセント (5 ~ 10%) 程と言われている。苛酷な試験は、ウェールズのブレコン・ビーコンズと呼ばれる山脈や、同じくウェールズにあるエラン・バレーと呼ばれる湖 (貯水池) の他、東南アジアのブルネイ (ボルネオ島北部にある英連邦加盟国) のジャングル、アフリカ大陸南西部に広がるナミブ砂漠を舞台におこなわれる。セレクションは年に 2 回実施され、一般的に完結には 6 ヶ月の期間を要する。

志願者の要件は「男性」でなければならず、英国軍に最低 3 年の在籍 (または、市民生活から直接加入できる第 21 / 23 SAS 連隊で最低 18 ヶ月の在籍) が求められる。

セレクションの主な課程は、特殊部隊状況課程 2 日間、フィットネスとナビゲーション 4 週間、初期継続訓練 4 週間、ジャングル訓練 6 週間、戦闘サバイバル 4 週間など。セレクションのいずれかのステージで脱落した場合、志願者は出身元の部隊へ戻される。なお、志願者はセレクションで 2 度だけ試行が認められているが、再応募の機会は与えられない。

SAS にはレギュラー連隊である「22 SAS Regiment」と、国防義勇軍 (TA: Territorial Army) 内の「21 SAS Regiment」「23 SAS Regiment」の予備連隊 (SAS (R) (SAS Reserve) ) と、3 つの連隊が存在する。いずれのメンバーも、世界屈指の厳しい選抜課程を通過しなければならないが、国防義勇軍、すなわち「志願予備兵」である 21 SAS と 23 SAS のメンバーにおいては、セレクションにおいて 1 年以上に渡る期間的な猶予が与えられている。

SAS が取り組む目下の役割は、
敵陣背後での情報収集や襲撃・破壊工作、カウンターテロ作戦において対テロ警察特殊部隊「CO19」など警察部隊の支援、他国の特殊部隊との共同訓練実施、国外でのカウンターテロ作戦実施、政府高官・要人警護など多岐に渡る。

なお、前述にある 3 つの SAS 連隊にはそれぞれに異なる役割がある。国防義勇軍である 2 つの SAS 連隊は「近接目標偵察 (CTR: Close Target Reconnaissance) 」を専門にしているのに対し、レギュラー連隊である 22 SAS は「対革命戦 (CRW: Counter Revolutionary Warfare) 」「カウンターテロリズム (CT) 」「緊急対応部隊 (QRF: Quick Reaction Force) 」を含めた幅広い任務を請け負っている点で異なっている。

Channel 4 2015/10/14
Daily Mail 2015/10/18
Shadow Spear 2009/05

同じカテゴリー(映画・テレビ)の記事画像
『シン・仮面ライダー』に本格的なガンアクションが!?
身に危険が...いざという時の護身術!元特殊部隊が指南...あの日用品も武器に?
特殊部隊の隊員が描く、本格クライムムービー漢たちの「HAKUTO」始動 開始。
災害に、アウトドアに、一つあると心強いライト、 SureFire(シュアファイア) その1 歴史編
元デルタのラリー・ビッカーズが映画「ボーダーライン」のミリタリー描写を徹底検証
警察官の「ボディカム」を題材にしたホラー・スリラー映画『Body Cam』の海外版トレーラー公開
同じカテゴリー(映画・テレビ)の記事
 『シン・仮面ライダー』に本格的なガンアクションが!? (2023-03-18 00:00)
 身に危険が...いざという時の護身術!元特殊部隊が指南...あの日用品も武器に? (2023-01-31 12:50)
 特殊部隊の隊員が描く、本格クライムムービー漢たちの「HAKUTO」始動 開始。 (2021-12-18 13:42)
 災害に、アウトドアに、一つあると心強いライト、 SureFire(シュアファイア) その1 歴史編 (2021-09-02 16:13)
 元デルタのラリー・ビッカーズが映画「ボーダーライン」のミリタリー描写を徹底検証 (2020-06-07 20:00)
 警察官の「ボディカム」を題材にしたホラー・スリラー映画『Body Cam』の海外版トレーラー公開 (2020-05-31 12:00)
この記事へのコメント
コメントを投稿する

この記事をブックマーク/共有する

この記事をはてなブックマークに追加

新着情報をメールでチェック!

ミリブロNewsの新着エントリーをメールでお届け!メールアドレスを入力するだけで簡単にご登録を頂けます!

[入力例] example@militaryblog.jp
登録の解除は →こちら

PageTop