Photo from Black Rifle Company

独自のブレンドと焙煎技術、そして軍人や銃器コミュニティをターゲットにしたマーケティング戦略で知られるユニークなコーヒーメーカー、ブラックライフルコーヒーカンパニー（BRCC）がインスタントコーヒーを発売する。コロンビアやアジア産の豆を使用した深いコクに僅かな酸味がある、スムーズな味わいであるという。

BRCCはエヴァン・ヘイファー氏が2015年に設立した企業。ヘイファー氏はアイダホ大学在学中からROTC（予備役将校訓練課程）に参加し卒業とともに州軍に入隊、州軍グリーンベレーに合格する。そこから陸軍グリーンベレーに移った後はイラク・アフガンに従軍、除隊後は調査会社や安全保障系コンサルタントなどいわゆるPMCに在籍し、CIAや国務省のコントラクターとしてPSD任務についていた。インストラクターとしても著名であり「READYMAN」ではクラスの提供、また「RATSターニケット」などのギアの開発・販売も行っている。

そんなヘイファー氏はコーヒーが調達しにくい地域に派遣される際には自分で大量の豆を持ち込んでいたほどのコーヒー好きでもある。ある日、自分で焙煎したほうが安く美味しいコーヒーが飲めることを知ったヘイファー氏は小さな焙煎機を購入し、射撃場の片隅でコーヒーの焙煎の研究を始めた。それを仲間に振る舞っているうちに味はどんどん向上し、現在のBRCCの礎となった。

起業後は「タフでマッチョなコーヒーブランド」を全面に押し出し、現役・退役軍人や銃器愛好家のコミュニティでの支持を得ている。時には「ナンパなスターバックス（Hipster-bucks）」への揶揄が過ぎ批判を呼んだこともあるが、スターバックスが5年で難民1万人を雇用すると発表すると、すぐさま退役軍人1万人を雇用すると宣言するなど「炎上」も利用する強かな企業である。

「ナンパなスターバックス（Hipster-bucks）」をからかう内容の動画。公式チャンネルからは既に削除されている。

black rifle coffee - YouTube

参考：ブラック・ライフル・コーヒー社がスターバックスに対抗して退役軍人1万人の雇用計画を発表 - ミリブロNews

BRCCは退役軍人がスタートさせたビジネスとしては内容も規模も極めて異色であり、モデルケースとして他の業界からも注目を集めている。

Source: Instant Stick – Black Rifle Coffee Company

Text: Chaka (@dna_chaka) - FM201712

Chaka (@dna_chaka)
世界の様々な出来事を追いかけるニュースサイト「Daily News Agency」の編集長。