コロンビア向け不正輸出の容疑でシグ米国法人(SIG Sauer USA)の最高経営責任者がドイツで逮捕
ドイツ銃器メーカーの『シグ・ザウエル社(SIG Sauer GmbH & Co. KG)』が、無許可で南米コロンビアに向けてピストルを輸出していた容疑の一件で、米国法人のトップが逮捕されていたことが分かった。
Screenshot from SIG Sauer.
This photo is for illustrative purposes only.
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ドイツ主要各紙の報道によると、身柄を拘束されたのはシグ・サワーUSA(Sig Sauer USA)社のロン・コーエン(Ron Cohen)社長(57歳)。今年8月、欧州全域に逮捕令状が出されていたところ、10月にドイツ・フランクフルトで拘束。身柄はキールに送検されたという。地元紙「キール・ナーハリヒテン」は、「コーエン社長はその後、500万ユーロ(=約6億4,200万円)の保釈金を支払い釈放されている」としている。
シグ社によるコロンビア向け輸出の接点は2009年に遡る。今年4月に発覚したこの一件についてはドイチェ・ヴェレが詳報している。当時の記事では「2009年から2012年に掛けて、『SP2022』ピストル×7,000挺が米国法人の子会社であるシグ・サワー社に渡った」「これらのピストルは米国市場向けだったが、その半分以上は当時のオバマ政権下でおこなわれていた薬物犯罪撲滅支援の一環としてコロンビアの警察に渡った」ことが明らかとなっている。
Photo from SIG Sauer.
南ドイツ新聞(SZ)によると、「キール検察はこれまでに30,000挺以上のピストルが許可なくコロンビアに納入されたとして起訴に踏み切った」としている。
これまでコロンビアには内戦の影響もあり、ドイツから武器を輸出した事例が無く、その貿易は認められていない。今回の一件が真実となれば、シグ・ザウエル社の幹部5名については有罪となった場合、最大で5年間の刑務所暮らしが待っている他、法人に対しても1,200万ユーロ(=約15.8億円)の罰金が課せられる。
しかし現在のところコーエン被告人に対する手続きが進められたものの、シグ・ザウエル・グループを率いるドイツ在住の共同オーナー、「ミハエル・リュッケ(Michael Lüke)」「トーマス・オートマイヤー(Thomas Ortmeier)」両氏と、その他の責任者らに対する検察の動きは未定となっている。
なおシグ社側は容疑を否認しているようだ。
米国法人トップ逮捕の一報を特報したTFB(The Firearm Blog)がシグ社のプレスリリースを引き出している。それによるとシグ社は、「10年以上前に米国シグ社は米国防総省との間でピストル供給の契約を交わした。その契約では、対外有償軍事援助(FMS)とその他の国内法規に則り、国防総省が後にコロンビア国家警察に向けて輸出するというものだった」「これら輸出されるピストルの目的は、コロンビア政府が世界的な麻薬組織との戦いに立ち向かうことを助けるためだった」としている。
Source: Sig-Sauer-Manager war in Kiel in U-Haft, EXCLUSIVE: Sig Sauer Statement Regarding CEO Ron Cohen, Die Kolumbien-Connection des Sig-Sauer-Chefs
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