「Black Command」リアルPMCコントラクター特別インタビュー~第4回元グリーンベレー「ピンク」編

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民間軍事会社(PMC)を題材として歯ごたえある描写が好評なカプコン×ミリブロのスマホゲーム「Black Command」。実際に最前線で勤務していたコントラクター達にインタビューを行い、ゲームの世界をより深く紹介していく特集記事もこれで4回目となる。

今回の「ミスター・ピンク」は映画「レザボアドックス」からコールサインをとったという人物だ。州軍から18Xとして陸軍に入隊、グリーンベレーを経てコントラクターとなり、OGA(軍の指揮系統外にある政府機関。多くは諜報関係者)の任務に就いた。インタビュアーは、これまでに引き続き銃器の専門家でありトップシューター、特殊部隊経験者にも幅広くネットワークを持つ「SHIN」氏が務めている。

※インタビュー対象者の中には現在でもコントラクターとして活動している者がいる。彼らの安全とプライバシーを保護するため、当インタビュー記事では時系列、所属企業、配備地域など、個人を特定できる情報の詳細については伏せている。



リアルPMC紹介
ミスターピンク


・コントラクター時のコールサイン/ニックネーム
Mr.Pink / ミスターピンクだ。映画「レザボアドックス」からのパクリだ。こういったコールサインやニックネームは所属しているユニットによって変わる事が多い。グループやユニットを移るたびに新しいコールサインが与えられる事もあるし、古いままの事もある。ミスターピンクは私の所属していたユニットが、作戦上、無線上でのコールサインを急遽変更しなければならなかった時、交戦中で出遅れた私は無理やりミスターピンクのコールサインを与えられたんだよ。

・バックグラウンド
当時、SFベイビー/スペシャルフォースベイビープログラムと呼ばれていた一般兵として勤務する事なく直接、特殊部隊へ編入される方法を通じて米陸軍に入隊した。当時は若くて、最初は州軍特殊部隊としての勤務。ベーシックトレーニングから、AIT(アドバンスドインディビジュアルトレーニング)から、エアボーン/空挺、その後にナショナルガードのコミュニケーション/通信兵として配備された。その時は特殊部隊員としての資格は持っていなかったがサポートユニットとして多くの経験を積む事が出来た。その後SFAS、つまりセレクション&アセスメントプログラムを経て、クオリフィケーションコースへと参加した時には20歳だった。最初の6年間は18Cエンジニア/工兵としてアサルターを務め、その後MOSは18F
諜報へと変わり、その頃にはインストラクターとしての仕事が増えていった。特殊部隊には15年在籍し、その後コントラクターとなった。

オプの前のウェポンチェック。東西様々な武器がPMCでは使用されている。写真はイメージです。

・どうしてコントラクターに?
私の所属していた部隊では、それぞれのユニットが地域、地形によって担当区域が別れていた。私の担当は南及び中央アメリカであり、対テロチームとして多くの訓練や実戦を経験したがあくまでも小競り合い程度のものだった。だが中東では大きな戦闘が始まっており、私はそこに行きたかった。ユニットから外れる為には何か大きな失敗をするしか無いので、上官の所に行き「中東ユニットに入れてくれなければ、今から外に行って持っている1911を暴発させるぞ」と脅した。私のユニットでは1発の暴発でユニットを辞めさせられるルールとなっている、それを逆手に取ろうと思ったのだ。だが上官は笑いながら「勝手にしろ。そんな事をしても明日も南及び中央アメリカ担当だ。お前を手放すユニットはいないよ。」と聞き入れてくれなかった。
そこで、作戦で知り合ったOGA /諜報関係者に、どのように立ち回って、どのような訓練コースを取れば、彼らのコントラクターとして契約してもらえるかを聞いて回った。長くかかったがその時の経験が確実に今は生かされている。こうしてユニットから離れる許可をもらい、イラクでパートタイムのコントラクターとしての最初の仕事を得た。そして6ヶ月後にはフルタイムでPMCとして働いていた。

グリーン・ゾーンから見た砂嵐。写真はイメージです。

・コントラクターとしての履歴は?
最初の数ヶ月はティア1出身者のみを使う会社と契約し、警護任務についていた。ディフェンシブな警護任務では実際に外に出てドアを蹴り破って悪い奴をやっつけるという事は出来ない。その後、契約先の国における緊急対応部隊のインストラタクターとしてのコントラクトを得る事が出来た。アドバイザーとして彼らに同行し、実際にオフェンシブな実戦に参加できるようになったんだ。

・得意分野は?
通信、アサルター、爆破、工兵、諜報の分野で専門教育を受けている。

・好みの武器は?
OGAとの仕事の際にはロープロファイルの車両の絡む作戦が多かった。なので短銃身のHK416が好みだ。精度も信頼性も申し分なく高い。だが、長距離の移動、大量の装備を携行する必要がある場合にはBCM社製の軽量バレルをつけたアッパーレシーバーを選ぶね。その他には現地の部隊と弾薬、マガジンを共有できる利点を持つためにAKシリーズを使用する事もあった。だが酷使されていない、良い状態のAKを見つけるのが一苦労だった。後に大量の新品ロシア製AKを見つけそれらを短銃身に改造し、EOテックサイトを取り付けて使用していた。これらは通称BWモデルと呼ばれていたね。

・ギアセレクション
絶えず新しいギアを試しているから箱一杯の使っていない装備があるよ。新しいアイデアやテクノロジーの詰まったギアは便利だし、クールだ。だが重要なのは重量。40キロを超える装備を運搬する経験を長年続けてきた結果、膝には大きなストレスが溜まっている。なので、ライフルも含め、極力軽量で速乾性、多くの環境や状況で使えるマルチタスクな物が好みだね。

・コントラクトとコントラクトの間のダウンタイムには何を?
旅行に行ったりする奴もいるけど私にはそれが楽しいとは思えないんだよ。トレーニングしているか、新しい技術を学んでいるか、米国に戻って戦地で学んだ事を教えているかしている。昔のユニットに戻って、アドバンスドドライビング、CQB
、射撃などを教えたり、教わったりしている。こうする事で新たにコントラクトに参加してくるオペレーターとの間に技術的、思考的な差が生まれないようにしている。

・コントラクターとして最も印象に残っている経験は?
印象に残っているというか、ここ数年でこの業界が大きく変わったことに驚いているよ。私がPMCとしての活動を始めた頃は、日当1000ドルが一般的だった。これはティア1所属だったオペレーターの場合であって、米国で警備員をしていて何の経験の無い者だって日当500ドルはもらっていた。いまのコントラクターは多くがフィリピン、ブルガリア等が多くて最近は中国のPMCが台頭してきている。彼らを中心に経験のあるヨーロッパ系のPMCが指揮をとるというスタイルが主流だ。フィリピンやブルガリアのコントラクター達の給料は月500ドル程度だと言う。彼らがオプの際に怪我や死亡してしまっても、うるさく言うメディアはいない。そう行った意味でコントラクトの世界は大きく変わってきていると言えるよ。

写真はイメージです。


ライター紹介:SHIN
在米の銃器専門家として、銃器の専門家であるガンスミスとしての学位を持ち、ファイアーアームズテクニカルライターとして日本ではアームズマガジン、ガンプロフェッショナル誌、米国では人気銃器雑誌リコイル誌に寄稿している。
シュアファイア社ローライトインストラクターでもあり、マグプルダイナミクス、タクティカルレスポンス、ケンハッカーソン、ラリービッカーズと言った有名インストラクターから200時間を越えるタクティカルトレーニングを受講。自身もインストラクターとして民間及び米国法執行機関に対し、プラクティカルマークスマンシップ(実践的射撃術)のクラスを提供している。
サブジェクトマターエキスパートとして日本の法執行機関および自衛隊に専門的助言を提供。台湾のコンサルタント機関TTRDA社を通じて台湾の法執行技術の近代化に関わっており、幅広いコネクションから最新のタクティクスに関する情報を提供している。
日本人として唯一、USPSA(米国実践射撃協会)最高位グランドマスターを2つの部門で達成。全米トップ20位に位置するシューターでもあり、多くの優勝経験を持つ。
自身の活動を、フェイスブックページ「Gunbaka/ガンバカ」として発信している。
https://www.facebook.com/gunbaka.shin

これまで紹介してきた中でも、ピンク氏の証言には特に私達がPMCと聞いてイメージする戦場でのヒロイックさ、ロマンがある。一口にコントラクターと言えど、一人ひとりにまったく違うストーリーが存在している。
BlackCommandでも遊ぶ人によってまったく違うストーリーが展開することだろう。ゲームがどれほどPMCの世界に迫っているか、そして自分だけのPMCストーリーを描くことができるか、ぜひダウンロードして確かめてみて欲しい。


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