2019年 Facebookはエアソフトガンコミュニティを破壊し尽くすかもしれない
イギリスの大手エアソフトガンニュースサイト、Airsoft Nationが「2019年はFacebookがエアソフトガンコミュニティを破壊するかもしれない」と題した記事を公開し、Facebookによるコミュニティページのアカウント削除とコミュニティの疲弊について論じている。
背景には、SNSプラットフォームにおける銃・ミリタリー関連の話題への規制がある。こうしたSNS企業の多くはアメリカにベースがあり、続発する乱射事件等への影響が取り沙汰されることも少なくない。特に上場している企業は株価に対して敏感になっている。このためFacebookとその傘下にあるInstagramも2016年に銃器等の個人売買に関する規制を強化しており、関連するコンテンツにも目を光らせている。
参考:銃器・アクセサリー小売大手ブラウネルズのYouTubeチャンネルが一時凍結され騒ぎに - ミリブロNews
米シティバンク銀行 取引先の銃火器小売業者に独自の販売ルールを導入するよう要請 - ミリブロNews
こうしたセンシティブな背景により、欧米におけるエアソフトのコミュニティは非常に危うい状況にある。
Airsoft Nationの記事によると、Facebookは2018年、Pew Pew Airsoft(約1万9千ユーザー)、Airsoft Addicts UK(1万6千ユーザー)という2つの大型コミュニティページを相次いで閉鎖させ、イギリス系の大型コミュニティページはUK Airsoft Community (UKAC……約21,000ユーザー)が現存するのみとなった。
記事の筆者は閉鎖したいずれかのモデレーター(ユーザー側の管理者)を努めていたようで、これらの閉鎖はAIによるキーワードの自動検閲ではなく、ユーザーからの通報の結果行われたと明らかにしている。
コミュニティページの多くはローカルルールで微妙な問題をはらむコンテンツの投稿を禁止している。個人売買もその一つだ。しかしこうしたスレッドは「立ってしまう」もので、ユーザーの数が多くなればなるほどその確率は高くなる。ボランティアが大多数であるモデレーターの目が届かないとなれば、ユーザーはSNSに直接報告することになる。
また、グループ中にはそのグループに反感をもつユーザーも一定数存在する。そうしたユーザーがチームを組んで通報を行えば、コミュニティはいとも簡単に凍結されてしまう。SNS側の管理者の多くはエアソフトの文化に詳しくないため、通報数で脅威度を計る傾向があるためだ。
大きなグループが無くなるとそのユーザーは行き場を失い、しばしばエアソフトへの興味も失ってしまうことがある。一部は新しいコミュニティページを作成するが、少し大きくなれば同じ問題が発生し、閉鎖に至る。
Facebookの代替としては色々なものが存在するが、昔ながらの掲示板(フォーラム)は機能に限界があって近年の「Facebookネイティブ」なユーザーにはアピールしないだろう。本邦におけるLINEのような、メッセージングアプリのグループ機能は超大人数のコミュニティには向いていない。ブログやニュースサイト、YouTubeのようなコンテンツ発表の場で、読者・視聴者がゆるく繋がっていくような形でコミュニティは存続するだろうが、強い影響力を得るに至るかどうかは疑問だ。
かくしてFacebookは現存するコミュニティを疲弊させていく。ユーザー達は情報を得る手段、自分達について発表する場を失い、小売店が広告を出したり、メーカーが新製品の露出を行う場を無くしていく。
本邦のSNSや検索エンジンでは、エアソフトガンは火器ではなく玩具に準ずる扱いとなっており欧米のそれとは少し違っているのが現状である。しかし3Dプリンタ出力・販売代行サービスのDMM.makeが先日、エアソフトガン関連パーツの出品に大きな制限を設けるなど、本邦でもエアソフトガンカルチャーと企業との距離のとり方には慎重なものを感じる。
何より、日本のネットユーザーにおける欧米ベースのSNSや検索エンジンのユーザーシェアは非常に高い。いつ何時、同じような影響が出るかは予測できないという状況にある。
Source: How Facebook Will Destroy The Airsoft Community in 2019 - Airsoft Nation
Text: Chaka (@dna_chaka) - FM201901
参考:銃器・アクセサリー小売大手ブラウネルズのYouTubeチャンネルが一時凍結され騒ぎに - ミリブロNews
米シティバンク銀行 取引先の銃火器小売業者に独自の販売ルールを導入するよう要請 - ミリブロNews
こうしたセンシティブな背景により、欧米におけるエアソフトのコミュニティは非常に危うい状況にある。
Airsoft Nationの記事によると、Facebookは2018年、Pew Pew Airsoft(約1万9千ユーザー)、Airsoft Addicts UK(1万6千ユーザー)という2つの大型コミュニティページを相次いで閉鎖させ、イギリス系の大型コミュニティページはUK Airsoft Community (UKAC……約21,000ユーザー)が現存するのみとなった。
記事の筆者は閉鎖したいずれかのモデレーター(ユーザー側の管理者)を努めていたようで、これらの閉鎖はAIによるキーワードの自動検閲ではなく、ユーザーからの通報の結果行われたと明らかにしている。
コミュニティページの多くはローカルルールで微妙な問題をはらむコンテンツの投稿を禁止している。個人売買もその一つだ。しかしこうしたスレッドは「立ってしまう」もので、ユーザーの数が多くなればなるほどその確率は高くなる。ボランティアが大多数であるモデレーターの目が届かないとなれば、ユーザーはSNSに直接報告することになる。
また、グループ中にはそのグループに反感をもつユーザーも一定数存在する。そうしたユーザーがチームを組んで通報を行えば、コミュニティはいとも簡単に凍結されてしまう。SNS側の管理者の多くはエアソフトの文化に詳しくないため、通報数で脅威度を計る傾向があるためだ。
大きなグループが無くなるとそのユーザーは行き場を失い、しばしばエアソフトへの興味も失ってしまうことがある。一部は新しいコミュニティページを作成するが、少し大きくなれば同じ問題が発生し、閉鎖に至る。
Facebookの代替としては色々なものが存在するが、昔ながらの掲示板(フォーラム)は機能に限界があって近年の「Facebookネイティブ」なユーザーにはアピールしないだろう。本邦におけるLINEのような、メッセージングアプリのグループ機能は超大人数のコミュニティには向いていない。ブログやニュースサイト、YouTubeのようなコンテンツ発表の場で、読者・視聴者がゆるく繋がっていくような形でコミュニティは存続するだろうが、強い影響力を得るに至るかどうかは疑問だ。
かくしてFacebookは現存するコミュニティを疲弊させていく。ユーザー達は情報を得る手段、自分達について発表する場を失い、小売店が広告を出したり、メーカーが新製品の露出を行う場を無くしていく。
本邦のSNSや検索エンジンでは、エアソフトガンは火器ではなく玩具に準ずる扱いとなっており欧米のそれとは少し違っているのが現状である。しかし3Dプリンタ出力・販売代行サービスのDMM.makeが先日、エアソフトガン関連パーツの出品に大きな制限を設けるなど、本邦でもエアソフトガンカルチャーと企業との距離のとり方には慎重なものを感じる。
何より、日本のネットユーザーにおける欧米ベースのSNSや検索エンジンのユーザーシェアは非常に高い。いつ何時、同じような影響が出るかは予測できないという状況にある。
Source: How Facebook Will Destroy The Airsoft Community in 2019 - Airsoft Nation
Text: Chaka (@dna_chaka) - FM201901
Chaka (@dna_chaka)
世界の様々な出来事を追いかけるニュースサイト「Daily News Agency」の編集長。
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