田村装備開発の大阪出張「戦闘特別訓練」座学取材レポート

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田村装備開発の大阪出張「戦闘特別訓練」座学取材レポート
一般向けだけでなく、多数の自衛官・警官も訪れ、高く評価する国内屈指の訓練機関、田村装備開発は、大阪ショットショーに合わせて出張訓練を開催している。今回は座学として「戦闘特別訓練」と「Protrction&Intelligence」、実地では「RBT+応用戦技」が開講された。本稿では田村装備開発代表・田村忠嗣氏が担当した「戦闘特別訓練」についてレポートする。

※イベント中に使用されたエアソフトガンはすべて事前に安全を確保し、訓練中も繰り返しチェックが行われたものである。
※紹介されているのは基本的には軍・司法執行機関を対象とした技術・知識であるが、あくまでも一般化されたものである。組織によって用いる方法や法的判断は異なったものになる。

参考:田村装備開発「CQB 座学・基礎動作特別訓練」取材レポート - ミリブロNews
田村装備開発公式ブログ
http://tamura.militaryblog.jp/
戦いの前提条件~「戦術」と「ルール」
野生動物どうしの戦いには制限時間や反則といったルールは何一つない。しかし人間どうしの戦いでは、法律や自主規制、使用できるテクニックなど様々な足かせがある。こうしたルールについて「決めれば決めるほどその組織は弱くなっていく」と田村氏はいう。例えば、刃物を持った相手が走り込んで来るなどとっさの場合「このような武器でこのように反撃するとルールに違反するだろうか?」と迷っている間に、自分が殺されてしまう、ということもあり得る。
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しかし、法治国家で戦う以上こうしたルールを無視することもできない。具体的な戦術・戦技を考える前に、いわゆる「正当防衛」の構成要件や組織のROE(交戦規定)について研究・知識を行い、何をやってよいのか、悪いのかを把握しておくことが重要である。

行動・判断の妨げとなるのは法律や規則だけではない。「こういうテクニックはダメ」「こういう装備はダメ」といった制限もまた判断を遅らせる原因となる。「何を目的としているのか」「チームの行動を阻害しないか」など、基本的な要件さえ満たせば「なんでもよい」とするほうが組織の戦闘力を保つことができる。
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トリガーガード内に指を入れた待機姿勢。練度が足りなければ危険であるが一般的な方法よりも速く引くことができる。単純に禁止するのではなく、メリット・デメリットやTPOを考えて使い分けたい。
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人が問題を認識し、何をすべきか決断し、実際に行動に移すまで、多くの場合0.5秒以内であるという。このサイクルに、いかにノイズを入れないようにするかが「戦い」の前提となる。

戦術の組み立て~戦技によって「利」をコントロールする
地の利、時の利(タイミング)、域の利をコントロールすることが戦術の組み立ての基本となる。こちらは基本的な「カッティングパイ」の動きである。部屋で待ち伏せをし、地の利を得ている的に対し、こちらは突入タイミングをコントロールできる利がある。
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それでは相手の地の利を崩すのに何ができるだろうか。例えば捕虜がおらず相手を確保する必要もなければ、取り囲んで兵糧攻めにしたり、外から爆破するなどして相手の陣地で戦わないという判断もできる。

「利」をコントロールする戦術は、無数の「戦技」で構成されている。戦技によって相手の利を崩す、あるいは相手の集中を乱す(destruction)ことができれば、利をコントロールすることができる。

最もスタンダードなのは、相手の視界に入らず、こちらは相手を視界に収めるほうほうである。このようにプレートを相手の正面に向けて立つ「アイソサリーズ」は利点も多いが、カッティングパイ時は肩がカバーからはみ出してしまいがちである。
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同時に多方向から攻撃をしかけつつ、自分は隠密潜入を行うのも敵の集中を乱すことができる。このように肩よりも下で行動するようにすれば気づかれにくくなる。また「人の形」のシルエットを消すことで、特にローライト環境では認識されにくくなる。例えばパーカーのフードなどは肩のシルエットを消すのに有用である。
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様々な戦技があるが、これらを使いこなし、自分の能力を100%発揮するにはストレスコントロール、マインドセットが重要になるという。チーム内で信頼関係を作り、装備を確かめ、よい訓練をしておくことが、最終的にはストレスを軽減させることになる。

装備と戦術~ローライト/ノーライト環境とフラッシュライト・NVG
近年は夜間戦闘装備の進歩が著しく、装備の差を戦術・戦技で埋めるのが難しくなってきた。すなわち、装備を揃える経済力が戦闘力の差になりつつある。しかし、正しく使わなければその効果は半減してしまう。

フラッシュライトやナイトビジョンに限らないが、まず自分の装備の特性を知ることが重要である。フラッシュライトであればスペック状の明るさだけでなく光束の形状や大きさを知り、用途によって使い分けなければならない。
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フラッシュライトは夜間における「目」であると同時にまたノイズにもなりうる。このように常時点灯して移動するのは大きな音を立てて歩いているのと同じである。
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光がない、見えないという環境ではカバーに関する考え方が変わる。まず覗き込んでからライトを一瞬照らし、すぐに引くことで、コーナーでの動きを隠すことができる。
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ライトの構え方一つにも様々なテクニックとコンセプトがある。体との距離や何を照らしたいのかに合わせ、最適な選択をしなければならない。
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ナイトビジョンも、光を増幅するものに加え、最近はサーマル視界のものも入手しやすくなってきた。
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ナイトビジョンはフラッシュライトと違って「ノイズ」となりにくい一方で、視界が狭いというデメリットがある。写真は指をほんのわずか左右にずらすだけで見えなくなることを確認しているところ。単眼のものは距離感がつかみにくく、特に階段などは注意する必要があるという。
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また人間の視界と同じくフラッシュライトで照らされるとまぶしくて視界を失ってしまうという弱点もある。対してサーマルビジョンを併用するものはライトの照射に強い。このため各国軍で2つの映像の輪郭を重ね合わせて投射するナイトビジョンの検討・配備が進んでいる。
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個人とチームの練度と訓練
全隊員が同じように動ける練度があれば、会話やハンドサインによるコミュニケーションを取らずとも意思を通じ、一つの生き物のようなチームを作り上げることができる。逆に言えば、個人の練度の維持は、チームへの責任ともいえる。それではどのような訓練をすればより効果的に技術を向上することができるだろうか。

CQB訓練では「BB弾を実弾と感じながら、しっかり撃ち合いをすること」がベースであるという。シムニションは日本国内では使用が難しく、また精度にも難があるため、エアソフトガンはこうした訓練では最適と田村氏。この日は電動ブローバックガンのGBLSを持ち込み、実演に使用していた。
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参考:究極の電動ガン「GBLS DAS M4」特別バージョンが日本限定発売 - ミリブロNews

身体トレーニングでは全開に引き続き、肩甲骨の柔軟さにはじまる「身体の使い方」の重要性が解説された。
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格闘技術も様々なものがあるが、まず肩の使い方、手の握り方といったベーシックな動きを学ぶことで筋肉からの出力効率は大きく変化するという。
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終わりに
田村装備開発の訓練や講義では、知識が伝達される一方で「決めごとを作らない」というテーマが繰り返し伝えられる。戦闘に決まったシナリオはなく、全てが臨機応変、究極的には突入する一番員の判断がすべてである。ルールを最小限とする田村装備開発の方法論はそうした実戦を意識したものだ。ぜひ一度その論理に触れ「自分(たち)のやっていること」が決まりごとに縛られたものであるかどうか検証してみてほしい。

田村装備開発公式ブログ
http://tamura.militaryblog.jp/

Photo & Text: Chaka (@dna_chaka)
Chaka (@dna_chaka)
世界の様々な出来事を追いかけるニュースサイト「Daily News Agency」の編集長。


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