ミルレム社がType-X戦闘車両を米国の協議会に出展
Type-X Combat Vehicle (For Illustration Purpose Only)
エストニアのミルレム・ロボティクス社は2021年に米国で開催される軍用ロボットおよび自律システム(RAS: Robotic and Autonomous Systems)の協議会に当社が開発したType-Xロボット戦闘車両を出展することを決めた。
当社の車両は米陸軍に中型ロボット戦闘車両(RCV-M: Robotic Combat Vehicle - Medium)として紹介される予定である。
米国のRAS協議会では、ロボットやAIなどの急速に進歩する技術領域における新しい可能性や発展性について世界中の先端技術が集まり、共有される。米陸軍は、ロボット車両をウイングマンとして有人車両がそれらの指揮をとる有人-無人のチーム(Manned-Unmanned Teaming)の効率的な実現可能性を探しており、当協議会のような技術交流の場は可能性を見出す大きなチャンスとなる。
ミルレム・ロボティクス社が出展予定のType-Xはディーゼル・エレクトリック方式のハイブリッドエンジンを搭載しており、重量は約1.1トン、時速40km程で走行可能である。武装として遠隔操作式の30mm砲を搭載している。
当社の発表によれば、当車両はAI技術を応用することで走行経路のナビゲーションや障害物検知が可能であり、遠隔操作での高速走行にも対応可能である。加えて、当車両の火力支援および作戦遂行能力は現在の有人歩兵戦闘車両と同等かそれ以上であるとしている。これにより、Type-Xを投入することで味方部隊が敵の防御陣地をより低リスクで突破できる可能性が高くなることが期待される。
また、当車両は車体の各機能の監視・自己診断システムを備えており、維持整備のコストを抑え、兵站に関わる負担の削減を実現可能である。
ミルレム・ロボティクス社は軍用車両のロボット化に関わる技術で業績を伸ばしており、欧州だけでなく米国に対してもその技術力を売り込んでいる。今後の地上車両のハイテク化において、当社の動きに注目が集まっている。
松井の所見:
数年程前には米国やロシアなどの大国でロボット戦闘車両の開発・投入が進んでいると話題になったが、昨今はエストニアなどのAI国家でもこのような先端技術の進歩が目覚ましい。米国等と比べて自国の市場規模が小さいことが影響してか、諸外国に対する売り込みに非常に力を入れているように思われる。このような売り込みは、本記事にあるように、最新の軍事技術を求める各国が世界中の企業から優れた技術を取り入れる機会にもなっている。このような機会を創り出すか否かによって国家間の技術力差が今後一層開く可能性があるのではないだろうか。
Source: Milrem offers Type-X robotic combat vehicle for US Army’s RCV-M programme - Army Technology
数年程前には米国やロシアなどの大国でロボット戦闘車両の開発・投入が進んでいると話題になったが、昨今はエストニアなどのAI国家でもこのような先端技術の進歩が目覚ましい。米国等と比べて自国の市場規模が小さいことが影響してか、諸外国に対する売り込みに非常に力を入れているように思われる。このような売り込みは、本記事にあるように、最新の軍事技術を求める各国が世界中の企業から優れた技術を取り入れる機会にもなっている。このような機会を創り出すか否かによって国家間の技術力差が今後一層開く可能性があるのではないだろうか。
Source: Milrem offers Type-X robotic combat vehicle for US Army’s RCV-M programme - Army Technology
Matsu (@mattsannENG)
原子核工学を専攻し、量子光学まで専門性を発展させる。その後、航空系防衛製品の輸入関連に従事。現在は田村装備開発(株)のミリブロ担当としてNews記事を執筆している。
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