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イランが新型のコンテナ積載型地対地ミサイルシステムを開発

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イランが新型のコンテナ積載型地対地ミサイルシステムを開発
Fateh-110 surface-to-surface missile (For Illustration Purpose Only)

 イランは、固体燃料を使用した一段式の地対地ミサイルであるファテフ110を用いた新しいミサイルシステムを開発した。

 このシステムではコンテナにミサイルを格納でき、通常の軍用陸上コンテナだけでなく、民用トラックのコンテナにも搭載可能である。これにより、ミサイルを標準的な大きさのコンテナの中に隠して輸送することができるため、移動中のミサイルが敵に探知されにくくなる。

 また、民用の輸送手段で陸海空のあらゆる領域を通って輸送できるようになるため、ミサイルが世界中に展開できるようになる。

 ファテフ110は無誘導型のゼルザル2に誘導制御システムを組み込んだものであり、イランにて1995年から開発が始まっている。主な使用は下記の通りである。

全長  : 8.86 m
直径  : 0.61 m
重量  : 3450 kg
射程距離: 210 km、400 km(追加のブースターを搭載した場合)

 ファテフ110の積載量は500kg程であり、主に榴弾・化学弾・子爆発体の搭載を想定している。また、核弾頭や大量破壊兵器の搭載も可能である。イラン軍はこのミサイルを既に正式採用しており、6輪駆動の商用トラックの車台に発射台を搭載して運用した実績がある。
松井の所見:
 イランはミサイルを秘密裏に運用できるような技術を開発したようである。民間で使用されるトラックのコンテナに搭載できるミサイルシステムは、ミサイルそのものだけでなく核兵器による抑止力の面でも脅威を増幅させるだろう。何基のミサイルがいつどこに運ばれたかが正確に分からなくなってしまった場合、後から対処するのは困難であると思われる。先進技術を盛り込んだハイテク製品ではないものの、核開発を進めたイランがこのような技術をもったことで、今後想定される脅威が増したことはほぼ確実だろう。地味な技術も組み合わせによっては大きな効果を発揮する可能性があると思う。

出典:アーミー・レコグニション「Iran has developed new containerized Fateh-110 surface-to-surface missile system」


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Matsu (@mattsannENG)
原子核工学を専攻し、量子光学まで専門性を発展させる。その後、航空系防衛製品の輸入関連に従事。現在は田村装備開発(株)のミリブロ担当としてNews記事を執筆している。
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