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米中軍事交流の全面回復か=年初に米国防長官が訪中

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米国防総省(DoD:Department of Defense)は27日、ゲーツ(Robert M. Gates)国防長官が来年1月9日~12日に掛けて、中国を訪問することを発表した。今回のゲーツ国防長官の訪中において注目すべき点として、中国国営の新華社通信では米中間における軍事交流の全面回復を狙っている点としている。

なお、今回のゲーツ米国防長官の訪中は、米国防総省のモレル報道官によると、中国国防省からの招待により実現されたことが発表されている。

一方で、18日付けの英デイリー・メール紙では、中国が東アジアの海域において軍事プレゼンスを強めていることを掲載し、2015年に中国が空母の進水を行い、2020年には強力な空母艦隊の形成を行うことについて言及している。

中国が空母を欲しがる背景には、それまでの「沿岸防衛」から「遠洋防衛」へとシフトすることが背景にある。無論「防衛」とは名ばかりであるのは言うまでもない。第二次世界大戦以降のアジアにおける紛争のほぼ全てにおいて、中国は直接的な関係を持っている事実上の「軍事国家」である点が、世界中からもその軍拡路線への懸念を受ける大きな要因の1つである。

日米間における安全保障条約の第5条には、米国の対日防衛義務が定められているが、それ以前に米国は米国の国益を最優先した軍事方針を打ち立てることが予想される。経済面では既に米中における同盟関係が成立しているのも、米国が米国の国益を優先した結果といえる。また、リーマンショック以来、急激に膨れ上がった米国債の世界最大の買受先が中国となっている現実などを踏まえ、政治と軍事のさじ加減が、そのまま軍事バランスへ直結していることを理解しなければならない。

「惑星直列」とも表現される2012年には、中国が胡錦濤から習近平に権力の移譲が行われ、米国では大統領選挙が実施される。そして北朝鮮でも金親子の世襲交代が目される。またロシアでもメドベージェフからプーチンへ権力が復興され、韓国でも大統領選挙が行われる。6ヶ国協議メンバーの内、日本を除いた5ヶ国において国家構造の変革が行われることが確定している。こうした中でいよいよ迎える2011年は年初より文字通り「激動」の幕開けとなることは必至だ。

朝鮮半島情勢において急激に「有事」=「戦争」の図式がクローズアップされ、世界の注目がそれまでの中東から日本のある東アジアへ向けられる中、早急に日本の軍事・防衛を中心とした政治や外交の「内憂外患」の状況が回復されなければならない。


参考記事:
http://www.defense.gov/news/newsarticle.aspx?id=62252
http://www.dailymail.co.uk/news/article-1339895/A-new-power-high-seas--China-build-aircraft-carrier-Britain-scraps-hers.html
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/hosho/jyoyaku_k.html
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2010122800278
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101228-00000021-scn-cn


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