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米陸軍、ワイヤレスによる電力転送を模索

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米陸軍、ワイヤレスによる電力転送を模索兵士の携行する装備のハイテク化に伴い、より多くの電源を必要とするようになる中、米陸軍では、ワイヤレスでの電力転送を模索中。

GPSや通信機器、ライト、暗視装置など様々な装備の中で使われるバッテリーだけでも、大きくかさばり、72時間 の任務で 70個 のバッテリーを要し、9Kg の荷重となる試算が出されるなど、十分な電力供給と兵士への負担軽減が命題とされている。
兵士の歩行でバッテリー確保、電力再生装置SPaRKを開発

このような命題をクリアするために、米陸軍では様々な異なる技術とコンセプトを研究。その1つにワイヤレスでの電力転送を掲げ、これらの技術開発に対し、500万~600万ドル の予算を割り当てている。
ワイヤレス電源により、かさばるケーブルを取り除くことができるとし、兵士が「リチャージ・ゾーン」やヴィークル内に居る間に、充電を終えることが想定できる、としている。

米陸軍 NSRDEC (Natick Soldier Research, Development and Engineering Center) では、MIT (Massachusetts Institute of Technology) の ISN (Institute for Soldier Nanotechnology) との間で、実験的に兵士が着用するヘルメットとベスト間でのワイヤレスによる電力転送のシステムをデザインしている。なお、MIT の ISN については、米陸軍が先進ナノテクノロジーを通じて兵士の生存性を高めることを目的に資金拠出をおこなっているとのこと。
現在のところトルソーに着用させたベスト上の Li-145 バッテリーからヘルメットの受信機まで 5W 程度の転送がおこなわれているとのことで、50%程度の効率とのこと。

米陸軍では DARPA (Defense Advanced Research Projects Agency : 米国防総省国防高等研究事業局) のてこ入れにより開発の進展を期待し、米陸軍 TARDEC (U.S. Army's Tank and Automotive Research Development and Engineering Center) が要求する 50ft (約15m) の距離からのワイヤレスによる電力転送を実現したい構え。

U.S. Army 2012/05/08
Energy Harvesting Journal by IDTechEx 2011/12/06
Design News 2011/11/21
Photo : U.S. Army


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