DARPA、内部出血による負傷者の生存率向上を目指す発泡体
腹部内の損傷と、それによる出血は、負傷者を医療設備の整った場所に到達するまでに、時として死に至らしめてしまう。DARPA (Defense Advanced Research Projects Agency : 米国防総省国防高等研究事業局) が 2010年 に開始した Wound Stasis System 計画の下で開発が進められた発泡体ベースの技術は、今後の戦場における負傷者救護の活動において有望な結果を残した。この発泡体は、ポリオール (polyol) とイソシアネート (isocyanate) という 2つの液層を負傷者の腹腔へ注入したことにより生成されるウレタン・ポリマー (polyurethane polymer) で、元の状態から 30倍 の体積に膨張する。テストモデルでは、少なくとも 1時間 に渡って負傷者の腹腔内における出血の制御がおこなえ、失血による血液のロス率は 6倍 の向上がみられた。負傷から 3時間 のいわゆる "Golden Hour" においては 72% の生存率を示したという。発泡体の除去は、外科医の切開処置に続いて 1分以内 でおこなえ、片手で 1つ のブロック片として取り除くことができる。
この計画の実行は Arsenal Medical, Inc. がおこない、陸軍の AOR (Army Research Office) から追加の資金援助が示されている。
DARPA 2012/12/10
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