BAEシステムズ、人間の皮膚のようなセンサーを持つ航空機を研究

これは「スマート・スキン」と呼ばれるもので、航空機の表面に何万個もの小さなセンサーを埋め込み、風速 (対気速度) や温度、負荷、姿勢の変化などを正確に測るというものだ。これにより、航空機の状態を常にモニターすることができ、故障や破損を未然に、あるいは最小限に防ぐことが可能になるという。
また定期検査の回数や、検査にかかる時間を小さくでき、部品交換などのタイミングもより最適化できるようになり、メンテナンスの効率が上がり、コストは下がり、さらに安全性の向上にもつながるとされている。
センサーひとつの大きさは米粒よりも小さいため、航空機の表面に「取り付ける」というよりも、スプレーのように塗装する方法が考えられている。センサーは独自の電源を持ち、ソフトウェアとのセットにより、人間の皮膚が痛みや痒みなどを脳に伝達するのと似た方法で、データを送ることができるとのことだ。
研究のリーダーを務めるリュディア・ハイド氏は、自宅のドラム式洗濯乾燥機がオーバーヒートで自動停止した経験から、航空機にも応用できないかと思いついたという。ゆくゆくはこの技術を、航空機だけではなく、自動車や船など、民間の様々な分野にも応用したいとしている。
ちなみに、こうしたスマート・スキン技術は、日本の防衛省技術研究本部でも研究が行われている。日本のそれは損傷を感知するセンサーではなく、機体の全周を監視するために、薄いレーダーを機体表面に貼り付けるというものであるが、スマート・スキン技術は将来の戦闘機にとって標準となるかもしれない。
BAE Systems 2014/08/20
Strategic Defence Intelligence 2014/08/21
Infographic: Smart Skin / BAE Systems
Text : 鳥嶋真也 - 003
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