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HMMWV の始まりと 30 年の歴史、そして終わり

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HMMWV の始まりと 30 年の歴史、そして終わりHMMWV の始まりと 30 年の歴史、そして終わり
『Strategic Defence Intelligence』は 9 月 8 日付けで、来年で生産開始から 30 周年を迎える軍用車両・ハンヴィー (HMMWV, Humvee:High Mobility Multipurpose Wheeled Vehicle = 高機動多用途装輪車両) に関する特集記事を掲載した。

ハンヴィーは 1970 年代後半に、米軍の M561 ガマ・ゴートと M151 ジープを代替するために AM ゼネラル社によって開発され、1985 年から量産が始まった。

当初は、ハンヴィーの能力に懐疑的な者も多かったそうだが (それだけジープが優れた車両だったということでもある) 、湾岸戦争での活躍などで徐々にそうした懐疑論は消え、現在ではジープと同じぐらいに信頼性のある、そして有名な車両になり、米軍だけでなく世界中の軍隊で使用されている。
HMMWV の始まりと 30 年の歴史、そして終わり
AM ゼネラル社はまず、1983 年に 2,334 台を受注し、その後湾岸戦争が始まるまでには、米軍や海兵隊向けに 72,000 台を生産した。さらに量産開始から 10 年にあたる 1995 年には 100,000 台を納入した。現在までの生産台数は 281,000 台にも達している。

その後、911 テロ後に始まったアフガニスタン紛争にも投入され、悪路での走行性能は高い評価を得た。しかし、2003 年から始まったイラク戦争では、即席爆発装置 (IED) によって多くのハンヴィーが被害を受けた。追加を外装を纏うものの被害を受け続け、ついに 2007 年からは、分厚い装甲を持った装輪装甲車輌 MRAP (Mine Resistant Ambush Protected) への置き換えが始まった。しかし MRAP の導入は、その重装甲と引き換えに、ハンヴィーの持っていた高い機動性を失わせることになった。

現在米軍では、ハンヴィーの高い機動性と、MRAP の高い防御力を併せ持った、JLTV (Joint Light Tactical Vehicle) と呼ばれる新しい車両の開発計画が始まっている。この計画には、ハンヴィーを開発した AM ゼネラル社の他、ロッキード・マーティン社とオシュコシュ・ディフェンス社が参戦しており、2015 年にも勝者が選ばれ、契約が結ばれる予定だ。

Strategic Defence Intelligence 2014/09/08
Photo 1, 2: AM General LLC
Text : 鳥嶋真也 - FM201409


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