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匿名で投稿できるソーシャル・アプリの Whisper が位置情報などを収集、諜報機関に提供していた可能性

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匿名で投稿できるソーシャル・アプリの Whisper が位置情報などを収集、諜報機関に提供していた可能性
英 The Guardian 紙は 10 月 16 日、匿名で投稿できるという触れ込みのソーシャル・アプリの Whisper が、実は位置情報などを収集、データベース化しており、また米国防総省などに提供していると報じた。

Whisper は iOS と Andoroid に対応したアプリケーションで、今から 2 年前の2012 年 3 月 31 日に公開された。完全に匿名で文章や写真などを投稿できることが特徴で、若い世代に人気が出ているという。

しかし The Guardian 紙によれば、実際はサービスを運用する WhisperText 社によって位置情報などが収集されており、検索が可能なようにデータベース化もなされているという。またこのアプリは、使用時に GPS を利用した位置情報を設定するかしないかを選択できるとのことだが、仮に設定をしていない場合でも、IP アドレスを基におおよその位置を特定しているという。

もともと Whisper は、自分の近くにいる人の投稿を見られる機能があり、この位置情報の取得は、そのために使われているとされる。

だが、収集されたデータは、米国防総省や米国家安全保障局 (NSA)、米連邦捜査局 (FBI)、英保安局 (MI5) などに提供されているとのことだ。

追跡の対象は、軍の関係者や Yahoo!、ディズニー、連邦議会関係者と自称しているアカウントであるとされ、その実例として、今年7月にはガザに侵攻するイスラエル国防軍の兵士の投稿を監視していたとされる。その数は 13 人から 14 人にものぼるという。また自称ワシントン D.C. のロビイストでセックス中毒だというアカウントの監視も行っていたことが明らかにされている。

また同紙は、同社内で使用されている位置特定用のソフトウェアなどの画像を入手し、記事に掲載している。

これに対して、同社は「100% の嘘である」との抗議をしているが、同紙は 10 月 17 日に、さらに反論をする記事を公開している。また同社に記事を公開すると事前通告した 4 日後に、利用規約が書き換えられたことも判明しているという。

もともと The Guardian 紙は、WhisperText 社と共同で、Whisper を活用した記事作りをしていたという。だが、共同作業を進める過程で、位置情報の収集などの実態を知り、同紙では共同作業を止め、それを告発することに方針を変えたという。

WhisperText official website
The Guardian 2014/10/16-1, 10/16-2, 10/16-3, 10/17-1, 10/17-2
Text: 鳥嶋真也 - FM201411


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