Navy Times は 12 月 5 日、米海軍で原子力関連のエンジニアとして働いていたサウジアラビア生まれ米国籍の男が、最新鋭原子力空母 ジェラルド・R・フォード (USS Gerald R. Ford, CVN-78) の技術情報を、エジプト政府のエージェントに売り渡そうとした容疑で逮捕されたことを報じた。

記事によれば、容疑者はまず、位置を特定されないような細工を施した上で電子メールや電話でエージェントと連絡を取り合い、そして今年 9 月 19 日に、バージニア州ハンプトンの公園でエジプト政府のエージェントと密会し、NOFORN (外国へ持ち出してはならない) という指定の入った多くの機密文書や図などを、とある場所に埋めることを話し、またエジプトへ安全に脱出するためのパスポートの用意などを要請したという。

そして 10 月 23 日、容疑者は打ち合わせた場所から報酬を取り出した後、そこに機密データの入った 1 テラバイトのハード・ディスクを入れたという。

ところが、実はそのエジプト政府のエージェントの正体は米連邦捜査局 (FBI) の捜査員であったという。つまり彼はおとり捜査に引っかかったということになる。

ジェラルド・R・フォードは米海軍最新鋭の空母で、2016 年の就役を目指し、現在も建造が進められている。

なお、エジプトは現在、空母も原子力船も保有はしていない。

Navy Times 2014/12/05
U.S. Navy photo by Ricky Thompson/Released
Image is for illustration purposes only.
Text: 鳥嶋真也 - FM201412