米空軍、A-10 の退役に伴い近接航空支援を再考する = ザ・ワシントン・ポスト紙
ザ・ワシントン・ポスト紙は 3 月 6 日、米空軍の中に、近接航空支援の将来を検討する組織「近接航空支援統合グループ」(Close-Air Support Integration Group) が立ち上げられたと報じた。
これは米国防総省によって A-10 サンダーボルト II (Thunderbolt II) の引退に向けた準備が進められていることに対応したもので、ネヴァダ州にあるネリス空軍基地を本拠地とし、陸軍や海軍、特殊作戦コマンドも交えて検討が行われるという。
Two F-15E from the 90th Fighter Squadron, Elmendorf Air Force Base, Alaska, fire a pair of AIM-7Ms during a training mission. The mission took place over the Gulf of Mexico just off the coast of Florida. (U.S. Air Force photo)
近接航空支援は現在のところ、A-10 を始め、F-15E ストライク・イーグルや F-16 ファイティング・ファルコン、ヘリコプターなどが務めている。A-10 が退役すると、他の航空機がその穴埋めをし、A-10 のパイロットもそこに移ることになる。米空軍の Herbert “Hawk” Carlisle 大将は「(新しい) 近接航空支援中隊は、F-15 と F-16 から構成されることになるだろう。またいずれは F-35 になる」と述べた。
また、もしコストを抑えつつ近接航空支援を行える機体が要求されるよう、世界情勢が変化することになれば、A-10 の直系の後継機となる新しい攻撃機を開発することもないわけではない、とも語った
Used as a gunnery target at Cannon Range near Fort Leonard Wood, Mo., this armored personnel carrier has been hit repeatedly by 30mm bullets from the 442nd Fighter Wing's A-10s. Cannon Range, run by the Missouri Air National Guard, is vital to training the wing's A-10 pilots, as well as pilots from other Air Force Reserve, Air National Guard and Regular Air Force units across the country. (U.S. Air Force photo/Maj. David Kurle)
A-10 は対地攻撃に特化した航空機として、1970 年代に開発された。低速での高い運動性能と、強力な機関砲、そして多くの兵装搭載能力を持ち、湾岸戦争やイラク戦争などで活躍した。近年では老朽化により、何度か退役の話が持ち上がっているが、その高い対地攻撃能力を買われ、また攻撃機としての後継機にあたるF-35 ライトニング II の開発が遅れていることもあり、現在まで現役を続けている。また、とりわけ現場からの評判がすこぶる良く、引退に反対する声は多い。
Washington Post 2015/03/06
Text: 鳥嶋真也 - FM201503
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