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麻薬戦争へ終止符?コロンビアの違法コカイン撲滅に強力な助っ人が投入か

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南米コロンビアでは、麻薬戦争 (War on Drugs) の温床でもある、違法栽培されてきたコカ (Erythroxylon coca) の駆除を目的に、強力な「助っ人」の投入が検討されている。

この助っ人は南米アンデスを原産とするドクガの一種「Eloria Noyesi」の幼虫で、いわゆる「イモ虫 (caterpillar) 」だ。ベージュ色をした成虫は、一般的なハエの 2 倍ほどの大きさになると言う。
コロンビアでは、コカの除草を目的に航空機を使って空中から大規模な農薬散布がおこなわれてきたが、今年 3 月に、WHO のガン専門研究機関である国際がん研究機関 (IARC) が、除草剤「ラウンドアップ (商品名) 」の主成分である「グリホサート」において、発癌性物質が含まれていることに警鐘を鳴らした。

この警鐘を受けて 5 月 9 日、フアン・マヌエル・サントス (Juan Manuel Santos) 大統領が同除草剤について使用停止の意向を発表している。

麻薬戦争へ終止符?コロンビアの違法コカイン撲滅に強力な助っ人が投入か
Oficina de Prensa Quinta Brigada
Image is for illustration purposes only.
コカインは、コカという灌木 (「かんぼく」=「低木」と同義) の葉に含まれる独自のアルカロイド成分を分離したもので、その葉には殺虫効果・害虫忌避成分が認められ、昆虫による食害が殆どないとされている。

10 年前にもコロンビアでこのイモ虫の大量投入が検討されたが、農薬散布以上に食物連鎖の破壊をはじめとする自然環境への影響に懸念が及び、実行には移されていない。

英国のタブロイド紙・Mirror によると、コロンビア政府は既に軍の施設で栽培したコカを使って、このイモ虫の試験を実行しているとのこと。

南米は、唯一のコカイン生産地であり、コロンビアは世界最大のコカイン生産国。違法に栽培されたコカは、武装組織・麻薬組織に買い取られた後に「ラボラトリオ (laboratorio) 」と呼ばれる精製施設での高純度化を経て各国で密売される。

Christian Science Monitor 2015/05/14
AP via NBC News 2005/06/09
Mirror 2015/05/14
About Cocaine as a naturally occurring insecticide / Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America
About World trends of Cocaine / Japan Customs

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