黒く立派な髭をたくわえ、分厚い胸板にフル装備のボディーアーマー。鍛え上げられた逞しい腕でアサルトライフルを構える・・・。
そのワイルドな風貌とカリスマ性から、ISIS (Islamic State of Iraq and Syria, イスラム国) の恐怖に立ち向かう、多くのイラク人の間で熱狂的な支持を集めるイラク版「ランボー」と呼ばれる人物が注目を集めている。

Abu Azrael 氏と名乗るこの人物に、フランスの国際ニュース専門チャンネル、フランス・ヴァン・カトル (France 24) のカメラが追った。

Abu Azrael is poster child in the propaganda war against Islamic State.
/ news.com.au

「死の天使の父 (Father of the Angel of Death) 」とも形容される Abu Azrael 氏は、過去に類を見ない SNS を使ったメディア戦略を仕掛ける ISIS に対抗し、今やメディアの寵児、アイコン的な存在として担ぎ上げられている。

Abu Azrael 氏のキャッチフレーズは「illa tahin」。これは ISIS の戦闘員とその支援者を、一片のかけらも残さず文字通り「粉々にする」ことを意味している。Abu Azrael 氏はまた、「神に誓って彼らに慈悲を与えることは無い」とも述べている。

Photo: Abu Azrael's FaceBook

AFP 通信によると、Abu Azrael 氏の本名は「Ayyub Faleh al-Rubaie」。また、イランのテレビ局によれば、一男四女の父親で年齢は 40 歳。以前はイラク国内の大学で体育の講師を務めていたとのこと。

Photo: Abu Azrael's FaceBook

昨年 6 月に故郷を離れて ISIS との戦いに参加している。イラク中部を主な活動地域とする同国最大の武装民兵組織、シーア派のマフディー軍 (JAM: Jaish al-Mahdi, Mahdi Army) でその軍事教練を積んだことが伝えられている。

今年 3 月に入って、各国のメディアが大々的に Abu Azrael 氏の存在を掲載。当時、同氏の FaceBook は 340,000 以上の「いいね！」が確認されていたが、現在は閉鎖されており、更新が確認できない。

FRANCE 24 English 2015/05/29