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兵士の体温を適切に調整する、RINI Technologies 社の個人用熱管理システム

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タクティカル系情報サイト:Soldier Systems Daily に掲載された記事によると、米バージニアビーチで6月4日に開催された世界の法執行機関、防衛、消防や救急サービス機関向けの展示会:Darley Defense Days で、高度な熱管理技術を開発研究するアメリカの RINI Technologies 社が、個人用熱管理システム『 Personal Thermal Management System 』を発表したとのこと。
『 Personal Thermal Management System 』は、着用者に快適な温度を維持する為にボディアーマーなどの下に着用するベスト·システムであり、ベストに張り巡らせたチューブ内の水を、冷却ユニットによって約22℃に保ちながら循環させることが出来る。システムは、電池パックか車両電源を介して電力供給が行われる。また、航空機電源(28ボルト)に対応したものも開発されている。

同システムのメリットとして、「認知能力の維持」「ミッション期間の増加」「運用効率を向上」「中核体温を維持」「発汗の減少を介して脱水リスクを低減」「熱ストレスに関連する長期的な生理的な健康リスクを軽減」を謳っている。

また使用用途として、ミリタリーボディアーマー、爆弾処理EODスーツ、化学/バイオスーツ、消防服、を挙げている。

尚、セントラルフロリダ大学( UCF )のウェブサイトに掲載された2010年のレポート記事には、RINI Technologies 社の社長が同校の卒業生であることと合わせて 『 Personal Thermal Management System 』の構想や概案などが紹介されている。

兵士の体温を適切に調整する、RINI Technologies 社の個人用熱管理システム
Photo By: Cpl Mike Escobar
Image is for illustration purposes only.
中東などの砂漠地帯に展開する兵士にとっては暑さも強敵であり、2005年のデータとして熱に関連した症例報告(死亡も含む)が米軍全体で3900例にも及んでいる。地上車両内に限らずヘリコプターなどの航空機内でも過酷な環境を強いられ、エアコンだけでは対応しきれないボディアーマー内を冷却することが懸案となっている。


同様のシステムは以前より各所で研究開発が進められており、Med-Eng 社の「 LCG Cooling Vest 」や、米陸軍ソルジャーシステムセンター Natick の「 Microclimate Cooling System (MCS) 」や「 Light-Weight Environmental Control System (LWECS) 」などがある

Soldier Systems Daily 2015/06/04
Text: 弓削島一樹 - FM201506

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