コルト・ディフェンス (Colt Defence) が経営破綻、負債総額は約 430 億円
スミス&ウェッソン( Smith & Wesson )と並ぶ2大ブランドであり、通称「コルト」として世界中に名が知られるアメリカの老舗銃器メーカー:コルト・ディフェンス( Colt Defence )が、6月15日までに連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を米デラウェア州の連邦破産裁判所に申請し、経営破綻した。米メディアの報道によると、負債総額は3億5,500万ドル(約430億円)とのこと。
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コルト・ディフェンスは、コルツ・マニュファクチャリング・カンパ二―( Colt's Manufacturing Company:CMC )が、2002年に分社した軍用銃器専門会社であり、分社後は CMC が民生用銃器専門会社となった。創業は南北戦争以前の1836年で、社名は「 Colt Patent Firearms 」であった。カナダのディマコ社を買収した際に「カナダ・コルト」に社名変更し、その後 CMC となった。
1911年から70年以上に渡って米軍の制式拳銃として採用され続けてきた M1911 コルト・ガバメントが、ベレッタ M92 にその座を奪われた辺りから、それまで好業績だったコルトに暗雲が立ち込めだす。ベレッタ M92 が制式採用された翌年(1986年)には、ガバメントのパテントが失効し各社から派生モデルが続々とリリースされ始める。また、1980年代は執行機関/民間を問わずヨーロッパ製のオートマチック拳銃の需要が高まり始めた頃で、コルトの主力製品であったリボルバー拳銃の需要は低迷し、やがて拳銃製造から撤退( SAA ピースメーカーとガバメントを除く)する流れとなっていった。
更に、米軍へ M16 や M4 カービンを納入していたコルト・ディフェンスは、2013年にアメリカの国防予算削減の影響で米陸軍から M4 カービンの調達契約を打ち切られ、これが決定打となり業績が悪化し債務超過に陥っていった。
「リボルバーのロールス・ロイス」とも呼ばれたコルト・パイソン、西部劇には欠かせない SAA ピースメーカー、M16シリーズ、M79 グレネードランチャー、ガバメントなど、記憶に残る数々の名銃を世に送り出しながら、時代の流れに巧く乗れなかった悲運の会社といえる。
尚、コルト・ディフェンスは8月3日の破産入札に向けて準備を進めているが、同社の過半数株を保有する投資会社:サイエンス・キャピタル・マネジメント( Sciens Capital Management )が、この入札で既存事業を存続させ有担保負債を返済できるように、資金提供を申し出ているようだ。
Wall Street Journal 2015/06/15
Reuters 2015/06/15
Text: 弓削島一樹 - FM201506
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