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ハンヴィーの製造契約をめぐる泥仕合

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歩兵装甲車ハンヴィーの製造契約をめぐって、陸軍とロッキード社で泥仕合が行われているようである。どうやら正式な性能試験や企業与信調査を経ずに、製造契約が結ばれたようである。

陸軍の発表によると、ロッキード社は、オシュコシュ社が新型ハンヴィー(統合戦術軽車両・・・Joint Light Tactical Vehicle)の製造契約に関して、陸軍の契約手続きと政府の説明責任事務局(Government Accountability Office)の調査・裁定に瑕疵があると連邦裁判所に申し立てるそうである。

この新型ハンヴィーの製造契約の規模は全体で300億ドル規模のもので、今回、ロッキード社が不服を申し立てているのはオシュコシュ社に発注された1万6901台分で、ロッキード社の入札価格よりも67億ドルも安かったそうである。

ハンヴィーの製造契約をめぐる泥仕合
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この不服申し立ては2015年9月8日に提出されて裁判所の裁定を受けることなるが、一方で、説明責任事務局の見解が同年12月17日に告知された。告知の内容は「棄却」であった。事務局の発表によると、「当事務局は、正当な管轄権を有する裁判所よりも先に訴訟案件を取り扱うことはない」の一言だけである。

事務局の発表を受けてロッキード社は、「当社は、説明責任事務局およびロッキード社に提出されなかった抗議に関する相当な文書を開示された」「我々は、これら膨大な文書が裁判所の裁定が行われる前に、事務局によって検討されることを信じていたが、事務局は、文書を検討するために必要な期間100日の延長すら拒否した」「このような不当な手続きを看過するわけにはゆかず、当社は裁判所の裁定が出るまで、公正なデータの評価が行われるように努力したい」と声明を発表した。

この動きを受けて陸軍もさまざまな文書を公開したが、契約手続きについて不透明な点が多いだけでなく、説明責任事務局の調査にも協力的でなかったことが関係者に不信感を抱かせた。

業界関係筋によると、公式の記録ではないが、陸軍は事務局の公聴会で提出しなかった大量の文書を公開した。この文書には、ロッキード社が抗議した内容とは別の材質データなども含まれているという。

ロッキード社は、裁判での判決に影響を与えるかもしれないデータを「後出し」してくる陸軍に、非常な不快感を示している。

Defense News 2015/12/16
Text: 友清仁 - FM201601

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