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米大学研究チーム、壁に止まり・よじ登る事の出来る飛行ロボットを開発

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米大学研究チーム、壁に止まり・よじ登る事の出来る飛行ロボットを開発
今から 1 億 4,000 万年以上前、ジュラ紀後期の地球上で生物は、樹木を登り飛行する能力を身に着けようとしていた。1861 年に命名された「始祖鳥 (Archaeopteryx) 」は、生物の進化の象徴として知られる化石である。

米スタンフォード大学の研究チームが開発を進める「SCAMP (Stanford Climbing and Aerial Maneuvering Platform) 」は、現代に甦ったロボット版の始祖鳥だ。SCAMP は、上空を単に飛行するだけでなく、壁に止まり・登り、そこから再び飛行体勢を取ることの出来る小型ロボット。上空で遊弋 (ゆうよく) することによる自由度の高い情報収集だけでなく、壁面に止まり・登ることで、消費電力を抑えながらも濃密な情報活動がおこなえる利点を持つ。

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SCAMP の本体には 4 つのローターを備えている他、テールや長いアームのようなものが伸びているのが分かる。直角にそびえる壁への着地でテールは、ピボット (軸足) として活躍し、ローターの浮力が後押しとすることによって、本体の重心を壁側へ向けるような仕組みとなっている。そして、蜘蛛のように長いアームの先端には、超小型のトゲ (micro-spine) が仕込まれており、壁面の表面にある凹凸をしっかりと掴み、よじ登るのにも役立てている。

なお、同大学のバイオメトリクス・マニピュレーション研究所 (Biometrics and Dexterous Manipulation Lab) は、DARPA (Defense Advanced Research Projects Agency: 米国防高等研究計画局) 支援の「Z-Man プログラム」で、「壁のぼり名人」である爬虫類「ヤモリ (gecko) 」をお手本とした特殊なグローブの開発を手掛けていることでも知られており、そこで培われている技術との親和性も考えられる。

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直角の壁から SCAMP が離脱する際は、隠された足が壁面に向けてセットされる。この足の先端には先ほどのアームと同様にフック (takeoff-spine) があり、壁面への固定と同時にアームのフックが解除される。これにより SCAMP 全体が緩やかに倒れて、元の飛行状態の姿勢となっている。

Stanford University 2016/03/16

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