東大阪に本店を持つガンショップ FIRST に、現用の米軍特殊部隊でも運用されているポラリス・ディフェンス (Polaris Defense) 社製 ATV (All-Terrain Vehicle: 全地形万能車) 「MRZR (エムレーザー) 」の 2 シートモデル「MRZR-2」が納車された。現在公表されている中では、国内唯一の納品車輌となる。
撮影・取材協力
2015 年 3 月に米連邦事業機会 (Federal Business Opportunities) は、特殊作戦司令部 (USSOCOM: United States Special Operations Command) がポラリス・インダストリーズ (Polaris Industries) 社との間で、ATV × 2,000 両超の単独による供給契約 (sole source) したことを発表している。その内訳は、軽量戦術用 ATV を対象としたもので、2 人乗り用の MRZR-2 × 300 輌と、4 人乗り用の MRZR-4 × 1,750 輌の計 2,050 輌となっていた。
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MRZR の日本国内における販売取り扱いは、名古屋を本拠として輸入車正規販売などを展開する株式会社ホワイトハウスが手掛けている。
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MRZR-2 は 2015 年 5 月 13 日に、ガンショップ FIRST 東大阪本店に納車され、15 日に開催された第 10 回 SVG Unlimited のメモリアルに話題を添えた。本稿では、イベントゲーム当日に展示されていた実車の細部を取り上げて紹介してみたいと思う。
以前の MRZR-4 の紹介時にも取り上げていたとおり、①エンジンの吸気口が車体上部にあるため、基本的には車両が浸水時状態であっても問題が無い。なお、排気口について②の位置にある。
荒地でもしっかりと路面を掴むことが出来るよう、大きな凹凸を持つタフなタイヤを履いている。
足回りには、世界有数のサスペンションメーカー FOX Racing Shox の製品が使われている。
また、ステンメッシュブレーキホースの使用も確認できる。
車体に貼り付けられたステッカーには、全長 115.4 x 60 x 73.6 inch (=約 293.1 x 152.4 x 187 cm) と、車輌サイズが表記されている。積載量については写真右下に掲載されているので、そちらを確認頂きたい。
車両後部の両端に配したプルワイヤーを引くことで、クイックレールの備わったメタルラックスペースが広がる。MRZR-4 の場合であれば、ここに負傷者を乗せた担架を 2 台平置きで運搬できる。MRZR-2 の場合はオプションのシートを進行方向とは逆向けに設置可能となっている。
後部には 2 インチ角のヒッチメンバーが用意されている。
繊維強化プラスチック (FRP: Fiber-Reinforced Plastics) 製のボンネットには 2 箇所のツマミが用意され、特段の道具を必要とせずに内側の確認がおこなえる。
ちなみに搭載されているエンジンは、88 馬力を生み出す POLARIS PROSTAR™ 900 4 ストローク DOHC ツイン・シリンダーが採用されており、最高時速は 60 マイル (=約 96 キロメートル) に達する。
車体両サイドに配置しているステップには、エンボス加工がされており、ドレインホールと滑り止めを兼ねている。
ドライバーシートからの風景。過酷なオフロード環境に特化したシンプルな仕上がりとなっている。
ハンドルの高さはレバーを下げることで調整可能。携行火器や装備を身に着けて車両の乗り降りをする特殊部隊オペレーターにとって、素早く操作が出来るような設計となっている。
エンジンスターターはこの位置に。回転させるとすぐさま始動する。
フロントパネルの様子。流石の軍用車両。飾りっ気などは微塵も無い。
赤外線 (IR) ライトが装備されている。点灯に当たってはキルスイッチとなっており、図示したように、一旦①下方へスライドさせてから②ボタンを切り替えるような仕組みとなる。これにより、不用意にスイッチが入らないようになっている。(本車輌に実装されているかどうかは、未確認)
速度計の表示は「キロメートル」表記となっている。
車体に貼り付けられていたステッカー。
シフトレバー。向かって右側が進行方向で、左側が後方となる。
燃料給油口は助手席側のシート下にある。ステッカーには「無鉛ガソリンのみ」の注意書き。
マスタークラフト・セイフティー (MasterCraft Safety) 社製のシートベルトが採用されている。ヘリコプターなどでも使われているこのロック機構は、激しい揺れでも乗員をしっかりとホールドする一方で、緊急時には素早く取り外すことができる。
ガンショップ FIRST では、当面の間は東大阪本店に展示した後、東京サバパーク内や各種イベントでの展示を予定している。
なお、本車輌はナンバープレートの取得を行っていないため、そのままでは公道での走行がおこなえない。そのため、FIRST では移動に当たって運搬専用の小型トレーラーを併せて購入している。