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ヘッドセットをなくして「奥歯」で通話認識。米空軍向けソニトゥス社の『モウラー・マイク』開発契約が継続に

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ヘッドセットをなくして「奥歯」で通話認識。米空軍向けソニトゥス社の『モウラー・マイク』開発契約が継続に
Photo from Sonitus Technologies
米国防総省が「ソニトゥス・テクノロジーズ(Sonitus Technologies)」社との間で、空軍向け「ATAC」個人通信システムのフェイズII開発契約を交わしたことが分かった。契約は「国防革新ユニット (DIUx: Defense Innovation Unit Experimental) 」を通じておこなわれ、数百万ドル規模・複数年に渡るものとなっている。

国防総省は、それまで国防分野との関わりを持たなかった情報技術 (IT) 関連の企業に近付き、革新的な技術の獲得や優秀な人材の確保を狙った出先機関としてDIUを設置している。
ヘッドセットをなくして「奥歯」で通話認識。米空軍向けソニトゥス社の『モウラー・マイク』開発契約が継続に
Photo from Sonitus Technologies
ATACは、空軍の間で『モウラー・マイク(Molar Mic)……奥歯のマイク』として知られるシステム。特許取得済の音響インターフェースと近傍磁界誘導(NFMI: Near-Field Magnetic Induction)技術を使用し、頭部に取り付けていた従来型ヘッドセットを不要とし、外部ノイズを遮断しながらも、発話と聞き取りの両方を歯と顎を使って実現するというもの。

カリフォルニア州マウンテンビューのモフェット飛行場で、空軍州兵の第131救難飛行隊のPJらが、この試作モデルを使った初期試験に参加している。また、2017年8月に米国を襲った大型ハリケーン「ハービー(Hurricane Harvey)」では、ヒューストンでおこなわれた救難任務の際に試作モデルが利用されている。この時、負傷した民間人をヘリコプターでホイストする際に、パイロットや飛行エンジニアとの通信が明瞭な音声でおこなえたとしている。

頭部・顔面での煩わしい装備がなくなることで別装備の拡張に期待できる一方、兵士の快適性を高めながらも明瞭な通信性を確保でき、状況認識能力の向上にも繋がることから実戦配備に向けた今後の開発に期待が寄せられている。

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