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装備を取るか、機動力を取るか…15ポンド(約6.8Kg)の重量増加で海兵隊分隊の兵力1名が損耗する

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装備を取るか、機動力を取るか…15ポンド(約6.8Kg)の重量増加で海兵隊分隊の兵力1名が損耗する装備を取るか、機動力を取るか…15ポンド(約6.8Kg)の重量増加で海兵隊分隊の兵力1名が損耗する
Photo from Naval Postgraduate School (NPS)
米海兵隊の大尉が作成した研究論文が海軍大学院(NPS: Naval Postgraduate School)で表彰された。
コートニー・トンプソン(Courtney Thompson)大尉の研究したテーマは、実戦の中で兵士の防護レベルの違いなどにより生じる装備の重量が、実際どのように兵士の損耗に影響を及ぼすのかをシミュレーションしており、その具体的な相関関係を示している。
装備を取るか、機動力を取るか…15ポンド(約6.8Kg)の重量増加で海兵隊分隊の兵力1名が損耗する
Screen shot from Naval Postgraduate School (NPS)
論文の中では、AK-47で武装する敵×4名の潜む集落に対して、海兵隊ライフルマン×13名(4名編成の3個ファイアーチームと1名の分隊長)が襲撃した場合を事例に上げている。15ポンド(=約6.8キログラム)の増量により、兵士が戦闘で大きな負荷を強いられ、分隊に1名の損耗を来すと指摘している。

・43ポンド+15ポンド=兵士1名の損耗
・最適な重量は最軽量な装備と最高レベルの防護
・重量が増加することは損耗が増えることに等しい
・同格の敵と対峙する場合は、スピードがより重要となる

装備を取るか、機動力を取るか…15ポンド(約6.8Kg)の重量増加で海兵隊分隊の兵力1名が損耗する
Screen shot from Naval Postgraduate School (NPS)
そしてその検証の結果、戦闘時の装備重量は50ポンド以下、襲撃時では75ポンド以下であることが推奨されている。このことは、昨年9月末にワシントンのシンクタンク「新アメリカ安全保障センター(CNAS: Center for a New American Security)」によって発表された報告書の数字からも確認できる。

関連記事:
重いボディーアーマーは兵士のパフォーマンス低下に影響。携行物の適正な最大重量は50ポンド

CNASによると、米軍兵士の携行重量は現在90~140ポンド。ボディーアーマーだけでも32ポンドあり、ヒトの肉体的進化には限度があることから、重過ぎる重量負荷によって兵士のパフォーマンスが十分に発揮できないとして警鐘を鳴らしている。
同報告書ではパフォーマンスを維持できる最大重量は50ポンドであり、陸軍においてはアーマーとヘルメットで27ポンドに抑える計画があると示している。

Source: Marine’s thesis honored with multiple student awards, This Marine captain figured out exactly how many pounds equal pain in combat

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