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Textron社の次世代分隊火器候補モデルを特許図面からCGアニメーション化した動画

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Textron社の次世代分隊火器候補モデルを特許図面からCGアニメーション化した動画
Screenshot from Twitter video
先日、Textron社がアメリカ陸軍の次世代分隊火器(NGSW)コンペに向けて提出したプロトタイプについてお伝えした。非常にユニークなメカニズムが多数搭載されていることが明らかになっているが、このうち自動小銃であるNGSW-Rを同社の特許に添付された図面から再現し、CGアニメーション化した動画が有志によって公開されている。

参考:
Textron社がアメリカ陸軍次世代分隊火器(NGSW)の候補を公開 - ミリブロNews
動画はパート1から4までの4本で、それぞれ基本的な動作、エレクトロマグネットトリガー、セレクターメカニズムとフルオート、フィールドストリッピングの方法についてフォーカスしている。

パート1では撃発から排莢、次弾装填までの基本的なメカニズムが紹介される。リムを持たない樹脂薬莢ではエキストラクターを引っ掛ける従来の排莢方法を用いることができない。そこで薬室を上下させ、新しい弾薬で古い薬莢を押し出すという仕組みが取られた。いわゆる「ストーブパイプ」排莢不良は発生しないというメリットはある。

パート2ではエレクトロマグネティックトリガーのメカニズムが紹介される。トリガーの動きによってソレノイドが作動、シアを開放して撃発する。ハンマーとシアの摩擦がトリガーフィンガーに影響を与えないため、設定次第では究極に軽く、かつ安全なトリガープルにすることもできる。また、電子式の照準器と組み合わせて「顔を認識したら自動で射撃」「味方と思われる対象を撃とうとするとトリガーがロック」といった制御システムも作りやすい。

既に一部メーカーが試作しているエレクトロマグネティックトリガーシステムでは、バーストやフルオートのコントロールも電子化しているものがあるが、Textronのモデルでは撃発のコントロールのみを行うようだ。

パート4では通常分解の予想図が示される。ボルトキャリアはもちろん薬室エレベーターやそれを駆動するアームなど、摺動部が従来型の小銃よりも多く、異物を噛み込んだときの動作に心配が残る。

Textron社の候補はそのまま採用を目指したものというよりも、さらに次の世代を見越したように見える。実用性というよりもケースレス弾薬やヘッドマウントディスプレイを使用した完全電子制御などで必要となるであろう、基礎技術が盛り込まれた実証実験的なものではないか。

Text: Chaka (@dna_chaka) - FM201911
Chaka (@dna_chaka)
世界の様々な出来事を追いかけるニュースサイト「Daily News Agency」の編集長。


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