ニュージーランド・ヘラルド紙が陸軍特殊部隊『NZSAS』の特集コンテンツを公開

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ニュージーランドの日刊紙「ヘラルド」が、「NZSASの内側、精鋭兵士の創出(Inside the NZSAS Creating the elite soldier)」と題した陸軍特殊空挺部隊『NZSAS(New Zealand Special Air Service)』の特集記事を掲載した。

記事には併せて今年に入って撮影許可が下りたという、北部アードモア(Ardmore)の戦闘訓練施設でおこなわれた訓練の様子も公開されており、見応え十分の充実したコンテンツに仕上げられている。
NZSASは、第二次大戦の終結から10年後となる1955年に編成された陸軍の特殊部隊。当時、マレー半島にあった英国領マラヤでの英国の強化が挙げられていたことを背景とし、軍特殊部隊創設の要求がおこなわれていた。
英連邦下にある同国だけあって、NZSASの部隊モットーは本家SASと同じく「挑む者に勝利あり(Who Dares Wins)」となっている。

現在、NZSASに求められる役割は主に以下の4つとなっている。
①監視・偵察
 険しい地形の中でも長時間・長距離の任務を達成する
②対テロ
 テロ事案発生時に、政府の勅命を受けて警察機関の支援をおこなう
③直接行動
 人員救出や重要物資の奪還、統合特殊作戦などで短期の解決を図る
④支援活動
 国内外の軍・準軍事機関に属す部隊に対しての訓練指南や助言を実施

これまでの慣習的に、常備兵または予備役兵に限ってNZSASへの門戸が開かれていたが、現在では民間人でもエントリー自体はおこなえるようになっているようだ。
とは言え、精鋭NZSASの一員になる方法はただ一つ。肉体と精神を極限まで切り詰めた「セレクション」を通過することに他ならない。例年、数ダースほどの若者がその門戸を叩くも、無事通過できるのはその内の限られたメンバーのみとなっている。

ヘラルド紙によると、「2013年からの4年間において、243名の志願者がいたものの、セレクションをパスできたのは僅かに31名だった」という。

志願者らは10日以上に渡り、肉体的・精神的、そして集団生活でのストレスを通じて自己の限界に立ち向かう。基礎体力錬成の一環で、タイム制限のある中ひたすら走り続けることから始まり、プレス&プルのフィジカルトレーニングを繰り返し、徹底的に肉体を鍛え上げていく。

障害物走、被服を着用した状態での水泳、35キログラムの負荷重量をまとって7キロメートルを1時間以内に走破することが求められる。これらはNZ陸軍の標準的なフィットネス試験でもあるとのことだが、時間制限が厳しく設定されるなど、より要求レベルが高められているという。
そして訓練が進むにつれて、食事・睡眠の制限が設けられ、日に日に志願者が脱落していく。

中でもセレクション課程5日目に実施される悪名高き「Exercise Von Tempsky」で志願者は、35キログラムのアーマーフル装備で、相棒となるライフルを携行しながら、20リットルのジェリカンを1つ、そしてもう1つを他の志願者と交互に持ちながら、沼地や砂丘といった足場の悪い地帯を延々24時間歩き続けるという苦行が待っている。

最終関門には、同じく35キログラムのアーマーフル装備を付けた状態でライフルを携行しながら、60キロメートルもの長距離を20時間以内に走破しなければならないテストが待ち受けている。
こうしたNZSASのセレクションは通常1年に2回おこなわれる。

セレクションを通過した隊員は「サイクル」と呼ばれる9ヶ月間に及ぶ訓練に臨む。ここでは、行軍やランニングといった基礎体力の錬成が続く他に、高度な応急処置、破壊工作、ジャングル戦対策、射撃、ランドナビゲーション、各種武器の取り扱いといった本格的なものを含み、休む暇もなく訓練がおこなわれ、規律と自立に欠けた人物を振るいに掛けるという。志願者の実に僅か10~15%しか残らず、それを耐えた者だけが卒業日にサンドカラーのベレーとブルーのベルトを受け取ることが出来る。

ヘラルド紙によると、「NZSAS創設からこれまでの63年間で9名の隊員が訓練で命を落とし、4名が作戦中に戦死している」とのこと。

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