NEWS

「デルタフォース」など46名が航空支援を受けながら「ロシア傭兵」「親シリア政権軍」×500名以上を撃退

海外軍事 Comments(0)

Photo by Tech. Sgt. Jorge Intriago
This photo is for illustrative purposes only.
今年2月7日に、米軍がシリアのアサド政権軍側を空爆し、約100名が死亡したとされる一件について、ニューヨークタイムズ紙が新たに入手したインタビューや文書を基にし、その直前の様子の含め、4時間ほどに渡った激戦の一部始終を公開している。
そこには、陸軍特殊部隊「デルタフォース」をはじめとした46名が、圧倒的な空軍の航空支援能力を使いながらも、前哨基地に迫りくる「ロシアの傭兵」を含む「親シリア政権軍」の兵力、実に500名以上を迎え討ち、撃退した様子が克明に記されている。
2月7日の戦闘は、米軍が「ダーイシュ(Daesh, IS, Isramic State, ISIS, ISIL)」と戦うためシリアに展開して以来、最も激しい戦闘の1つに数えられている。またこの一件については、ロイター通信など2月15日付けで、「ロシアの民間軍事会社『ワグネル(Wagner)』社の傭兵が約300名死傷」と報じたことから、本邦各紙面でも大きく取り上げられている。

タイムズによると2月7日の当日は、「戦闘が勃発する兆候は殆どなかった」と記されている。
そして、デリゾール近くのコノコ油田には、その近くに米軍の前哨基地が設営されており、クルド・アラブ部隊と共に統合特殊作戦司令部(JSOC)から派遣された、総勢30名からなる陸軍デルタフォースとレンジャー隊員が展開していた。

その前哨基地からおよそ20マイル(=約32キロメートル)ほど離れた作戦支援地点では、同じく陸軍特殊部隊であるグリーンベレー×1個チームと、海兵隊の1個歩兵小隊が展開。「上空のドローンから寄せられた油田近くに集まる敵兵士の情報をスクリーンに映し出し、現場の兵士らに伝えていた」としている。

15:00になると、コノコ油田に向けてゆっくりと進軍を始めるシリア軍の姿が確認され、数時間も経たない内にその数が膨れ上がっていた―
敵兵力は実に、歩兵500名を筆頭に車輌27台、さらにはロシア製T-72戦車や装甲兵員輸送車までも集結していたという。
このただなる状況を見たグリーンベレーと海兵隊員が、16名から成る少数の「反撃部隊(reaction force)」を形成し、掻き集めてきた武器・弾薬、水や食料を詰め込んだ4輌のMRAPに分乗し、急いでコノコ油田を目指した。

その後22:30にロシアの傭兵とシリア軍による攻撃が始まり、前哨基地は戦車砲、野戦砲、迫撃砲…が入り乱れて撃ち込まれていた状況になったという。


Photo by Staff Sgt. John Bainter
This photo is for illustrative purposes only.
この緊急事態に呼応し、リーパー無人機、F-22ステルス戦闘機、F-15E戦闘機、B-52爆撃機、AC-130ガンシップ、AH-64アパッチ攻撃ヘリコプター…と、文字通り「ハチの巣をつついた」状態で出撃。米軍の誇る圧倒的な航空戦力が、敵部隊を完膚なきまでに叩きのめした様子が記されている。

一方、反撃部隊を結成したグリーンベレーらは、「搭乗した車輌のヘッドライトが点灯しなかったため、サーマル装置だけを頼りに移動した」と伝えられており、「戦闘が始まってから1時間経過した頃に前哨基地近くへようやく到着した」とされる。しかしながら彼らが到着した時は、「空軍による激しい爆撃がおこなわれている最中であったことから、危険過ぎてそれより近付くことができなかった」とのこと。

激しい戦闘は日付が変わった1:00まで続いた。闇夜が静けさを取り戻したのは、空軍が誇る航空戦力が、燃料・弾薬が尽きた為に基地へ引き返したことによるものだった。このタイミングを見計らって、ようやくグリーンベレーらの反撃部隊が前哨基地に踏み込めたようだ。

空軍の戦闘管制官(コンバット・コントローラー)も現場に居合わせ、航空支援第二陣に備えて無線活動をおこなう中、1時間後に敵は退却。それに合わせて米軍の攻撃も停止した。

この戦闘で米軍に帯同していたシリア人の兵士が1名負傷したものの、特殊部隊を含むチームに負傷者は無かったとされる。
一方のロシア・シリアの死傷者数については今もまだ論争中だが、当初ロシアは「4名の我が国民間人が死亡した」と発表し、その後「十数名かそれ以上の可能性がある」としていた。またシリア高官は、「兵士100名が戦死した」と伝えている。
なおタイムズが入手した書類には、『親シリア政権の部隊(pro-regime force)』×200名から最大300名の戦死が記載されていたしている。

Source: How a 4-Hour Battle Between Russian Mercenaries and U.S. Commandos Unfolded in Syria

同じカテゴリー(海外軍事)の記事画像
米海兵隊の次世代個人携行用浄水システム『IWPS II』
カナダ軍が国産迷彩『CADPAT』から米国『MultiCam』への切り替えを検討。識者は血税の無駄遣いと反論
ノルウェー警察が一部機関の標準サービスピストルに『SIG P320 X』シリーズを採用
コルトとFNアメリカが「M4」「M4A1」生産のため、米陸軍から現行契約からの変更を受注
米陸軍が旅団戦闘チームに再補給無しで『7日間』戦える体制を企図。3Dプリンタ等の先進技術がカギ
「あらゆるセンサーに検出されない」米陸軍の次世代迷彩システム(ULCANS)にイスラエル発祥の企業が受注獲得
同じカテゴリー(海外軍事)の記事
 米海兵隊の次世代個人携行用浄水システム『IWPS II』 (2018-11-15 12:50)
 カナダ軍が国産迷彩『CADPAT』から米国『MultiCam』への切り替えを検討。識者は血税の無駄遣いと反論 (2018-11-13 13:50)
 ノルウェー警察が一部機関の標準サービスピストルに『SIG P320 X』シリーズを採用 (2018-11-12 15:42)
 コルトとFNアメリカが「M4」「M4A1」生産のため、米陸軍から現行契約からの変更を受注 (2018-11-12 14:17)
 米陸軍が旅団戦闘チームに再補給無しで『7日間』戦える体制を企図。3Dプリンタ等の先進技術がカギ (2018-11-09 18:47)
 「あらゆるセンサーに検出されない」米陸軍の次世代迷彩システム(ULCANS)にイスラエル発祥の企業が受注獲得 (2018-11-09 13:47)
この記事へのコメント
コメントを投稿する

この記事をブックマーク/共有する

この記事をはてなブックマークに追加

新着情報をメールでチェック!

ミリブロNewsの新着エントリーをメールでお届け!メールアドレスを入力するだけで簡単にご登録を頂けます!

[入力例] example@militaryblog.jp
登録の解除は →こちら

ひとつ前のニュース ひとつ次のニュース

PageTop