アメリカ陸軍 兵士の電子化に向けて防弾ベスト用電池・ワイヤー内蔵システムを開発中
兵士が携行する電子機器の量は近年増加の一途であるが、ケーブルや電池によって兵士の運動性が損なわれるという問題も表出してきた。これに対し、アメリカ陸軍戦闘能力開発コマンド(CCDC)下で情報技術・ネットワークの研究を行っているC5ISRセンターの研究者達は、アバディーン試験場で防弾ベストと一体型のワイヤーや電源システムの研究を続けている。
参考記事:
・ミステリーランチがデータバス機能を持つ次世代バックル「Power Buckle」を開発、現在特許出願中 - ミリブロNews
通信機などのワイヤーは、障害物に引っかかって運動性を損なう。また、量が多くなればなるほどその重量も無視できない。これに対して研究者達はフレキシブルでスリムな内蔵ワイヤーの開発を進めている。
Photo from U.S. Army
ベースとなった「MOLLIFLEX」。イギリスのIntelligent Textiles Ltd.社が開発したケーブルで、PALSテープに引っ掛けて装着することで、ワイヤリングが煩雑にならない。
Photo from Intelligent Textiles Ltd.
非常に薄く、ショルダーパッドなどの下に通しても違和感がない。
Photo from U.S. Army
体の前面に情報端末、背面に無線機などバラバラの場所に装着した電子機器を無理なく接続できる。
Photo from U.S. Army
障害物コースでケーブルの試験を行う兵士。ワイヤーの露出は最低限に抑えられており、動きを制限することがない。
Photo from U.S. Army
またケーブルだけでなく、電池についても研究が進んでいる。暗視装置、通信機、タブレットやラップトップPC、ドローン関連機器、将来的にはIVASゴーグルや次世代分隊火器の電子照準器(NGSW-FC)といった機器を使用するには膨大な電力が必要である。これを賄うべく、アメリカ軍では3日間のミッションで約9kgのバッテリーを必要としており、弾薬や防弾装備、食料といった最も重要な装備に影響を与えている。
これに対し、材料の見直しによるバッテリーの小型化・軽量化を進める一方、このように防弾ベストのポケットに収まる一体型ウェアラブルバッテリー(CWB)の開発が進んでいる。
Photo from U.S. Army
レイセオン社は車両向けに防弾能力を持つバッテリーモジュールの開発も行っている。現在の個人装備用防弾プレートを置き換える可能性もある。
Photo from Raytheon
Source: In modernization push, Army researches integrated power cables for Soldiers | Article | The United States Army
Chaka (@dna_chaka)
世界の様々な出来事を追いかけるニュースサイト「Daily News Agency」の編集長。
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