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ベトナム戦争中の爆撃クレーターを衛星画像から発見する機械学習アルゴリズムをオハイオ州立大学の研究者が開発

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ベトナム戦争中の爆撃クレーターを衛星画像から発見する機械学習アルゴリズムをオハイオ州立大学の研究者が開発
Photo from Wikipedia for Illustration Purpose Only


ベトナム戦争中、ベトナム人民軍と南ベトナム解放戦線の拠点に対しアメリカ軍が行った爆撃によって、カンボジアには今も大量の不発弾が埋まっている。これによって現在も週に1人のペースで負傷し、1973年から現在までに6万人以上が死傷している。オハイオ州立大学の研究者は、爆撃エリアの衛星写真からクレーターをAIで識別し、エリアごとの不発弾の個数を推定することに成功した。

研究チームは月や惑星のクレーターを検出するために開発された機械学習アルゴリズムを改良し、既にクレーターの位置が判明している約100平方キロメートルの地域の衛星写真をスキャン。約50年前とは地形や植生も変化しているため、これをAIが微調整することでクレーターの検出率を向上させた。結果として、判明している177個の爆弾クレーターのうち152個を検出することができた。これは従来のアルゴリズムに比べ、160%の向上であるという。

さらに、機密解除された軍のデータやこれまでに発見された不発弾のデータを合わせ、調査された地域全体に投下された爆弾の個数を割り出し、3205個投下された爆弾のうち、1400~1600個が不発弾として現存していると推定することができた。

実際の衛星写真から検出された爆撃によるクレーター。
ベトナム戦争中の爆撃クレーターを衛星画像から発見する機械学習アルゴリズムをオハイオ州立大学の研究者が開発
Photo from OSU


カンボジアでの不発弾除去事業は未だ完遂されていない。こうした検出アルゴリズムと過去のデータを組み合わせることで、より多くの不発弾が埋没していると思われる地域を割り出し、重点的な除去を行うことが可能になる。また、軍事的には不発弾の割合を調べることで、効果測定の精度が向上するということも考えられるだろう。

衛星やUAV、撮影機器、通信技術の発達と普及によって静止画像・動画の量は激増しており、機械学習による画像認識アルゴリズムはそれらを分析する手法として大いに期待されている。アルゴリズムそのものだけでなくこれを教育する手法にもニーズは高く、先日、アメリカ空軍はトレーニング用データを生成するシステムについてL3ハリス社と契約している。

Source: Study uses AI to estimate unexploded bombs from Vietnam War


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