中国、海洋監視船を新たに36隻建造。尖閣諸島へ配備か
中国国営放送 新華社通信の英語版サイトは7日、SOA(State Oceanic Administration:中国国家海洋局)による6日付けの発表として、尖閣諸島、南シナ海への海洋権益とその確保を理由に海洋監視の強化を図るべく、新たに36隻の監視船の建造を明らかにした。
中国が昨年5月に発表した「中国海洋開発報告2010」では、海洋権利と海洋利益は複雑な状況と安全面での脅威に晒されているとして報告されており、それらに対抗する為の手段として今回の発表に至った経緯を解説している。
なお、今回の新華社通信サイトでの発表を受け、時事通信社のサイトでは1,500トン級を7隻、1,000トン級を15隻、600トン級14隻の建造とした内訳を報告している。
1970年、尖閣諸島付近の海域でECAFE(Economic Commission for Asia and the Far East:国連アジア極東経済委員会)による海洋調査が実施され、イラクに埋蔵する原油に匹敵するといわれる1,000億バーレル(1バーレル=約160リットル)、大よそ700兆円分もの石油埋蔵の可能性が報告されて以来、中国、台湾がその領有権を主張した。
こうした海洋権益の確保の観点はもとより、国土の周辺に存在する海域の確保がその先にある大きな狙いとしても存在する。経済的な権益権を持つ「EEZ:排他的経済水域」を例に日本の海の広さを算出すると4,470万平方キロメートルとなる。一方で世界第1位の人口を抱え、その食糧確保や資源エネルギー確保に躍起の中国は、その広大な国家イメージとは裏腹にEEZを含めた海域は日本の約5分の1程度となる1,090万平方キロメートルとなり、海洋国家日本の存在が際立つ。
アメリカの軍事シンクタンクでもあるNDU(National Defense University:アメリカ国防大学)は2007年度の報告で2015年以降における資源獲得を争った21世紀での実質的な「世界戦争」について触れている。米国、中国、インド、EU諸国、ロシア、そして日本が世界の中心となってその熾烈な資源争奪戦を繰り広げるとしている。
昨年9月に起きた尖閣諸島問題による日中の外交問題だけでなく、北極圏などでも現在海洋権益の獲得を狙った各国の思惑が軍事をもって衝突している。
これは、地球規模で巻き起こっている温暖化により北極圏の氷の融解が進み、今まで明るみとなっていなかった海洋資源が報告されたことによって、カナダ、ノルウェー、デンマークやロシアがその獲得に乗り出していることが背景にある。いずれの国も武力を見せつけた争奪戦を既に行っており、とりわけカナダとロシアは洋上戦闘を繰り広げる寸前にまで至った経緯がある。
「資源世界大戦」とも称される21世紀型の資源争奪の植民地戦争は、今まさにその火蓋が切って落とされていると言っても過言ではない。
参考記事:
http://news.xinhuanet.com/english2010/china/2011-01/06/c_13679587.htm
http://www.jiji.com/jc/zc?key=%c0%ed%b3%d5&k=201101/2011010700689
http://www.chinabookshop.net/china-national-offshore-development-report-2010-p-9125.html
http://www.ndu.edu/info/about_ndu.cfm
中国が昨年5月に発表した「中国海洋開発報告2010」では、海洋権利と海洋利益は複雑な状況と安全面での脅威に晒されているとして報告されており、それらに対抗する為の手段として今回の発表に至った経緯を解説している。
なお、今回の新華社通信サイトでの発表を受け、時事通信社のサイトでは1,500トン級を7隻、1,000トン級を15隻、600トン級14隻の建造とした内訳を報告している。
1970年、尖閣諸島付近の海域でECAFE(Economic Commission for Asia and the Far East:国連アジア極東経済委員会)による海洋調査が実施され、イラクに埋蔵する原油に匹敵するといわれる1,000億バーレル(1バーレル=約160リットル)、大よそ700兆円分もの石油埋蔵の可能性が報告されて以来、中国、台湾がその領有権を主張した。
こうした海洋権益の確保の観点はもとより、国土の周辺に存在する海域の確保がその先にある大きな狙いとしても存在する。経済的な権益権を持つ「EEZ:排他的経済水域」を例に日本の海の広さを算出すると4,470万平方キロメートルとなる。一方で世界第1位の人口を抱え、その食糧確保や資源エネルギー確保に躍起の中国は、その広大な国家イメージとは裏腹にEEZを含めた海域は日本の約5分の1程度となる1,090万平方キロメートルとなり、海洋国家日本の存在が際立つ。
アメリカの軍事シンクタンクでもあるNDU(National Defense University:アメリカ国防大学)は2007年度の報告で2015年以降における資源獲得を争った21世紀での実質的な「世界戦争」について触れている。米国、中国、インド、EU諸国、ロシア、そして日本が世界の中心となってその熾烈な資源争奪戦を繰り広げるとしている。
昨年9月に起きた尖閣諸島問題による日中の外交問題だけでなく、北極圏などでも現在海洋権益の獲得を狙った各国の思惑が軍事をもって衝突している。
これは、地球規模で巻き起こっている温暖化により北極圏の氷の融解が進み、今まで明るみとなっていなかった海洋資源が報告されたことによって、カナダ、ノルウェー、デンマークやロシアがその獲得に乗り出していることが背景にある。いずれの国も武力を見せつけた争奪戦を既に行っており、とりわけカナダとロシアは洋上戦闘を繰り広げる寸前にまで至った経緯がある。
「資源世界大戦」とも称される21世紀型の資源争奪の植民地戦争は、今まさにその火蓋が切って落とされていると言っても過言ではない。
参考記事:
http://news.xinhuanet.com/english2010/china/2011-01/06/c_13679587.htm
http://www.jiji.com/jc/zc?key=%c0%ed%b3%d5&k=201101/2011010700689
http://www.chinabookshop.net/china-national-offshore-development-report-2010-p-9125.html
http://www.ndu.edu/info/about_ndu.cfm
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