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H&K 社の「G36」自動小銃の命中精度下落問題「弾薬ではなく自動小銃側に問題」と国防総省が結論

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ヘッケラー&コック社がドイツ軍をはじめ各国軍に供給している自動小銃「G36」に一定の条件下で命中精度が大幅に落ちるという欠陥が発見され、同小銃の発注が制限されていた件について、これまでは製造不良の弾薬が原因とされていたが、改めて「自動小銃側の問題」であるという報告が出された。
問題は連続射撃の後、銃身が加熱された際に照準器のゼロインが狂うというもの。ひどい時には100mで50cmも着弾点がずれるなど、ドイツ軍のアフガニスタン派遣の兵士たちから不満の声が上がったことで大きくクローズアップされた。

本格的な調査の結果、国防総省は命中精度の下落はスイス・RUAG社が開発し、ドイツ・MEN社が製造するDM11 5.56mm弾の銅ジャケットの厚みのバラつきによるものであるという報告を2014年に提出している。

過去の「ドイツ軍 Heckler & Koch G36 アサルトライフル 射撃精度」関連記事:
ドイツ国防省「H&K G36 自動小銃は信頼性・精度で問題無し」と声明をリリース - ミリブロNews
H&K、G36に関するメディア報道に対して公式声明を発表 - ミリブロNews

しかしメッペンのWTD 19(ドイツ連邦軍技術研究所)は「命中精度の下落は連続射撃による銃身の加熱が原因」つまり自動小銃本体側に問題があると結論を出していたことなどが後に独シュピーゲル紙の報道などにより判明。国防総省の報告内容に疑念が生じ、G36は2014年6月22日に発注停止となった。同日連邦議会の会計検査院と外部の研究機関があらためて調査を開始し、今回の結論に至った。

H&K社はこの問題について一貫して「G36は軍の課す試験・要求仕様をすべてクリアしており、連邦軍の通常使用に十分耐えるものである」という姿勢を崩していない。国防総省は制式小銃の交代を含めた中長期的な計画の見直しを行っていくとコメントしている。

今回の問題について、多くの専門家が銃身の放熱能力不足により銃身基部のトラニオン(砲耳)周辺の樹脂が加熱され、そこに衝撃が加わることによってゼロ点が狂うのではないかと指摘している。

ポリアミド樹脂のレシーバーに直接埋め込まれたG36のトラニオン。ここに銃身の基部が収まる。


Photo courtesy of Meplat/AR15.com
G36はエルゴノミクスを重視したデザインと、樹脂の多用による軽量さが利点であるが、リリース直後からトラニオン周辺の強度不足はG36の弱点になりうるという声があった。実際、銃身にサプレッサーを装着して連続射撃を続けた際の加熱と荷重によってこの箇所にクラックが入ったという報告も存在する。

米軍などが使用するM4自動小銃などでも、銃身の加熱によって様々な問題が発生していたため、より重たく分厚い銃身への交換は過去に何度か行われている。G36にも同様の改修が行われると見られている。

Source: Bundeswehr erwägt nach G36-Mängeln Kauf anderer Gewehre | Inland | Reuters
Gewehr G36: Rechnungshof wirft Wehrressort Vertuschung vor - SPIEGEL ONLINE
HECKLER & KOCH G36 Wärmeproblematik geklärt - RUAG - all4shooters.com
Sturmgewehr G36: Mangel-Munition soll Probleme verursacht haben - SPIEGEL ONLINE
German Bundeswehr confirms G36 issues
Image: Heckler & Koch Facebook page
Text: Chaka (@dna_chaka) - FM201504
Chaka (@dna_chaka)
世界の様々な出来事を追いかけるニュースサイト「Daily News Agency」の編集長。


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